内容説明
痛烈な権力批判、奇想天外なユーモア、あふれる情感―古代ギリシアの笑い声が聞こえてくる。シェイクスピア、モリエールらの遙かな先蹤をなす最古の喜劇世界が、最新の研究成果に基づき甦る。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Βουλγαροκτόνος
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2400年以上経った現代でも面白く読める、まさに名作。『アカルナイの人々』は現存する最後の喜劇としても有名(アリストパネスは未成年のうちに書いたのだから、真の天才!)。多少ギリシア語の知識があれば、「しゃれ」的な部分が分かってさらに面白い。喜劇は楽しませるためだけのものではなく、聴衆に社会の実態を訴えかける重要なツールであることに気付かされる。下ネタ(特に男色)は多いけど…。2022/07/18
kokekko
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ギリシア喜劇とは下ネタと政治風刺とみつけたり。巻末の解説にあるように「この喜劇の特徴は、大真面目とおおふまじめ(だっただろうか)を双方同時にできることだ」ということだろう。解説つきで読むだけで当時のアテナイの様相がある程度わかってしまう『アカルナイの人々』『雲』『騎士』。それだけにテキストだけでは理解が難しい。でもニッチになればなるほど「わかるひとにはわかる」式に、通じる相手には深くウケたろうし、ドッカンドッカン笑わせていたのだろうな……。そして最初から最後までの下ネタの大爆発! 楽しみました。2020/03/11