出版社内容情報
名著『雪』は「雪と人生」なる1章によって書き起され，雪の結晶に関する自らの研究に筆が及ぶ．読者は自然現象の不思議と，それにとり組む「科学」の面白さに惹き込まれる．人工雪を作ることに成功した中谷はその後も世界各地で雪氷研究に没頭したが，この間の体験と思索を平明な文で随筆に著わした．本集に精選して収められた作品は，自然，人そして科学について多くの示唆を我々に与える．
内容説明
本巻は昭和２４（１９４９）年から昭和２９（１９５４）にかけて発表された作品を収める。１はこの時期の著者の研究生活から生れた作品、おもに昭和２４年７月から１０月にかけてのアメリカ視察に素材を得た作品を収めた。２、３にはそれ以外の諸篇を収めたが、科学的にかかわる作品をとくに３としてまとめている。
目次
アラスカ通信
コロラド通信
国際雪氷委員会のことなど
ネバダ通信
ウィネッカの秋
ウィネッカの冬
ケリイさんのこと
牧野伸顕伯の思い出
日本のこころ
茶碗の曲線―茶道精進のある友人に
露伴先生と神仙道
古代東洋への郷愁―『仙書参同契』の解説
八戒に遭った話
イグアノドンの唄―大人のための童話
私のふるさと
私の履歴書
身辺雑記―『日本のこころ』を囲って
温泉２
亡び行く国土
湯川秀樹さんのこと
長岡と寺田
海底の散歩
「もく星」号の謎―白鳩号遭難事件を回顧して
