出版社内容情報
近代哲学の基盤である批判哲学を確立し,ギリシア以来のあらゆる哲学的課題を論じつくしたカント.世紀末といわれ未曾有の転換期を生きつつある今日,それらの著作から汲み取るべきものはあまりにも多い.講義録・書簡を含むその全著作を,国際的水準にある日本のカント研究者の参加を得て全編新訳で刊行する決定版全集.
内容説明
本巻には、最晩年の著作である『諸学部の争い』、単行本として刊行された『美と崇高の感情にかんする観察』に書き込まれた覚え書き、ならびに『理論と実践』『永遠平和のために』および『人倫の形而上学』と『諸学部の争い』のためのそれぞれの「準備原稿」、そして最後に『自然地理学』に関する「補遺」を収める。
目次
諸学部の争い
『美と崇高の感情にかんする観察』への覚え書き
『理論と実践』準備原稿
『永遠平和のために』準備原稿
『人倫の形而上学』準備原稿
『諸学部の争い』準備原稿
『自然地理学』補遺
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご
6
「諸学部の争い」のみ閲読。カントに神学的発言を禁じた君主の死の翌年1798年に公刊された最期の論文集。大部分が神学論で、理性より伝承を優先する解釈を批判し「聖書のテキストを、その箇所で考えられるすべての道徳的改善へのきっかけとしてのみ(少なくとも主として)取り扱うべき」P96と主張している。当時のドイツの宗派対立を知る上でも参考になる。法学論ではフランス革命を、理性による統治への大きな飛躍である(悲惨・悲劇はたくさんあったけれど)と評価している。医学論は彼自身の養生訓でこれも下世話な意味で面白かったです。2025/10/29




