出版社内容情報
ドイツの碩学ディールスとクランツが編纂した唯一の基本書『ソクラテス以前期の哲学者の断片』を全訳・注解し,哲学の起源とその発表,諸科学の誕生とその母体を明らかにする.本分冊は,啓蒙家たるソフィストを対象.
内容説明
本書は初期ギリシア哲学者(ソクラテス以前期の哲学者)たちの著作断片と古代における関連資料を訳出したものである。
目次
第3部 初期ソフィスト思想(名称と概念;プロタゴラス;クセニアデス;ゴルギアス;リュコプロン;プロディコス;トラシュマコス;ヒッピアス;ソフィストのアンティポン;クリティアス;イアンブリコス所引の逸名ソフィスト;両論(ディアレクセイス))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
karatte
17
プロタゴラスにゴルギアス、トラシュマコスにヒッピアスにクリティアス……名を連ねるだけで頬が引き攣りそうなソフィスト大集合の第5分冊。明らかに今までの四冊とは毛色が違う。ぶっちゃけ噛ませ犬感が強い。読む意欲も些か失せてしまう。だが、『ソクラテス以前……』と銘打たれた以上、模範的な反面教師である彼らを避けていてはソクラテス登場の意味合いが半減してしまうのだ。現代にソクラテスは見当たらないが、ソフィストたちは掃いて捨てるほどいる。そういう意味では現代において最も示唆的な巻なのかもしれない。2017/03/06