出版社内容情報
哲学の父でありイオニア学派の開祖であるタレス-アナクシマンドロス-アナクシメネスの系列をたどり,「すべては数である」としたピュタゴラス,クセノパネス,孤高の探求者ヘラクレイトスなどの生涯と言説を収録する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
solaris
5
ソクラテス以前哲学者列伝。万物は水であるとか、火であるとか、空気であるとか、言葉の羅列に過ぎない部分も多いが、時折深い箴言があり、ページをめくる手が止まる。魂は不死者であると言った自然哲学者タレスから始まり、暗い人ヘラクレイトスの膨大な引用文献で終わる。哲学特有の言い回しが少なく読みやすい。ヘラクレイトス、「同じ川に2度と入ることはない」「魂の際限はたとえあらゆる道を踏破しても見つけ出すことができない。それほど深い理(ロゴス)をそれは持っている」の箴言は有名だし、ぶち当たると想像力が解放される瞬間がある。2023/05/03
karatte
1
江古田のブックオフにて全冊購入。遅読の故にまだこの第I分冊しか読了していないが、初期ギリシア哲学文献の基本たるこのDK版、書架の肥やしにしておくのは勿体なさ過ぎる。"オルペウス,ヘシオドスなど初期宇宙論の提唱者をはじめとし,哲学の父とされるイオニア学派の開祖タレス-アナクシマンドロス-アナクシメネスの系列をたどり,「すべては数である」としたピュタゴラス,エレア派のクセノパネス,孤高の探求者ヘラクレイトスなどの生涯と言説を遺漏なく収録する.壮大なスケールの思索力と豊かなイマジネーションでわれわれを圧倒する"2008/12/21
Βουλγαροκτόνος
0
いきなり「オルペウス」「ムゥサイオス」と神話上の人物が出てきて戸惑うが、そういう人でもタレス以降は面白く読めるだろう。アナクシマンドロスとアナクシメネスの思想に多くの共通点が見出され、またピュタゴラスの異質な側面を改めて実感できるなど、断片であるが故に明瞭になる知見も多い。「泣く哲学者」ヘラクレイトスの難解な思想についても、思う存分研究することができる。2025/02/16
ちろたん
0
ギリシア神話を研究する上では、特に前半のオルフェウス教に関する資料が役に立つ。断片しかないが、あったとされる習慣が分かる。2023/07/17