出版社内容情報
平和と民主主義を根源的に問いつづけた戦後日本最大の知識人,丸山眞男の全作品を編年集成した著作全集.1995-96年の第1次刊行に際しては,戦後問い直しの機運のなかで広範な丸山論ブームが巻き起こった.しかし,戦争体制に急傾斜する今日の危機的な日本社会のなかでこそ,本集は熟読されなければならないだろう.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MrO
3
「日本の思想」を読み返そうと思って、周辺の文章を読んでみた。ついでに、ちょうど自分が生まれた時代。このころの日本って、安保に揺れてたんだね。同じことが起きてもビクともしない今の不気味さが怖い。2019/06/02
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
1
単行本に入ってる論文が多いけれど、読み返すと気づかされることが多い。よく、この「である」&「する」の文章が「自然」と「作為」論文に対応していると言う人がいるけど、全く対応してないから。ちゃんと読んで。でないと「丸山はプラグマティストだ」という安直な誤解に陥る。それはもっと言えば、丸山の政治観に関わる話だ。究極的に言えば、丸山にとっては「である価値」>「する価値」。その点、如何に価値判断をするのかという点、「南原繁「フィヒテの政治哲学」を読んで」(1959)の「告白」に丸山の憂鬱さがよく出てる。2013/09/25