出版社内容情報
平和と民主主義を根源的に問いつづけた戦後日本最大の知識人,丸山眞男の全作品を編年集成した著作全集.1995-96年の第1次刊行に際しては,戦後問い直しの機運のなかで広範な丸山論ブームが巻き起こった.しかし,戦争体制に急傾斜する今日の危機的な日本社会のなかでこそ,本集は熟読されなければならないだろう.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
2
「日本の思想」を改めて読み直してみるとその多面性に気づく。大雑把に言うと三つ。①日本には西欧のキリスト教に相当する規範意識がないという話⇒なぜ?という疑問は古層論へ。②国体(というO正統面するL正統)が創設されたという話⇒その弊害(帰結)は?という話は「論理と心理」で既に。③そんな日本に於ける思想の状況は?という話。もっとも丸山は冒頭でも又「あとがき」でも自らの出ているように何か解決策を提示しているわけではないけれども。丸山眞男集を通読していくとこの7巻や次の8巻あたりが基本軸になるのは確かにそうだなと。2013/09/21