出版社内容情報
2.26事件の勃発した1936年から大政翼賛会発足の40年,時局が総力戦に向けて大きく旋回する時代の初期作品を収める.「政治学における国家の概念」「近世儒教の発展における徂徠学の特質並にその国学との関連」など.
目次
ハレ「性犯罪の社会的原因」訳者註
政治学に於ける国家の概念
法学部三教授批評
一九三六‐三七年の英米及び独逸政治学界
ウォルフ「欧洲の章魚―独逸」訳者まえがき
シュミット「国家・運動・民族―政治的統一体の三分肢」訳者はしがき
新刊短評
近世儒教の発展における徂徠学の特質並にその国学との関連
或日の会話
クロスマン「治者と被治者」
ソローキン「音楽社会学」訳者まえがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
2
とりわけ「徂徠論文」。何度読んでも面白い。「俺こそ儒教を再建、古の聖人の道を再建するんだと思ったら、いずくんぞ知らん儒教を全面否定する国学を導き出したという」(『話』4、p265)逆説的な徂徠の面白さを、近代自然科学を準備した後期スコラ哲学の役割と重ね合わせながら論じていく。政治の発見と公私の分化、私の深化としての国学の成立という一連のストーリーに窺える丸山の政治観、シナ停滞論の引用の意味、そして後期丸山思想史への展望、単なる徂徠論に留まらず、丸山眞男論としてみたとき本論文の広がりの大きさを改めて感じた。2013/08/26
madofrapunzel
1
★★★★☆ じーちゃん家にあった丸山眞男全集、その一巻。 まだ丸山が若かりし頃に書いた、とはとても思えないような素晴らしい論文集だ。 特に「政治学における国家論」は古今東西の政治家の国家論を丸山なりに整理しており、とても参考になった。暇があれば、2巻3巻と読んでいきたい。2012/05/29
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