内容説明
中間子論が学界に注目された頃に書かれた「自然と人間」をはじめ、晩年の「科学と自然」「長年の疑問」など、博士の学問観がうかがわれる随筆・講演を収める。さらにアインシュタイン、フェルミらの学問と人間を伝える軽妙な作品を加えた。
目次
1 目に見えないもの(理論物理学への道;科学と教養;科学的思考について―物理学の対象と法則;物理学の前途;ノーベル賞を受けて;暗中模索)
2 近代物理学の成立(近代における物理学の発達;20世紀物理学史上の天才群;アインシュタイン博士を追慕して)
3 基礎物理学の展開(独創について;外から見た日本;時間の問題;科学と人間の疎隔と接近;物理学の老化と若返り;学問の自由と大学の理念;物質とシンボル;物理と数理;基礎物理学とは)
4 科学と人間(いや考えていること;科学と自然;運動と平衡;コペルニクスと現代;江戸時代の科学者;日本の科学の百年―一物理学者の視点から;長年の疑問)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すぐる
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◎:一流の科学者の知識量は荘氏から物理の歴史まで広いな~.全部知っているといえば知っているば,自分が書くとしたらこんな広範にはかけない.2012/07/13
Hiroshi Tabayashi
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量子力学が世界観を連続から不連続にした。これから科学が進むと人間の精神の解明に進むのではないか。2012/03/03
みもり しげる
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某大学の入学試験問題として湯川秀樹先生の文章が出たので、感極まり、著作集を読むことにした。先生は幼少の頃に漢詩を覚えさせられていただけあり文章が美しい。(藤原正彦によると、昔の作家は漢詩を暗唱していたため文章が綺麗である、ようである 実感する。)科学の内容だけではないので、科学の知識がない人でも十分に随筆として読める。やはり文学で一番高尚なのは随筆かもしれない…。2018/03/13