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をりにふれて(遠里丹婦麗天)
未發表隨筆
押韻論(邦詩の押韻に就いて;日本詩の押韻(A)
日本詩の押韻(B))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ルンブマ
1
九鬼周造は、「いつでも引き返せる準備をしていた希有な哲学者」だったと言える。「をりにふれて」で見られるように、完成した「わたし」ではなく、「私が生まれたよりもっと遠いところ、そこではまだ可能が可能のままであつたところ」までいつでも引き返せることを至上命令とする。そのためには、その存在の表面に張りをもたせておかねばならない。Flexibleであるということは、いつも自分の〈表面〉に最大限の張力を保っておくことである。〈誰〉が書いたのかわからない記憶にがちがちにならないで、いつでも組み替え可能にしておくこと。2020/06/21