出版社内容情報
日本の古典文学は、中国の詩文から新しい表現と思想をどのように得てきたか、また得たものをいかに我が身と心に合わせて変えてきたか。その受容と変容のさまをたどることによって、「からごころ」を受けとめる主体としてあった日本語と日本文学の伝統を明らかにする。『歌と詩のあいだ』に続く著者畢生の和漢比較文学論考。
【目次】
一 春の悲しみ――受容と変容
二 秋の悲しみ、秋の喜び―万葉より古今へ
三 大津皇子の臨終の歌と詩
四 防人の歌の二つの心
五 空海と万葉集
六 菅原道真の詩の国風――万葉集の歌との関わりを求めて
七 きみやこし我やゆきけむ――古今集と伊勢物語
八 枕草子と漢文学――附、源氏物語の「薄雲」について
九 源氏物語椎本巻「山の端近き心ちするに」考
十 源氏物語と漢文学
十一 新古今集の詩歌合の歌一首――すゞしさは秋やかへりて初瀬川
十二 「春宵一刻直千金」の受容と変容
十三 雲を吹く風――詩の解釈をめぐる和漢比較文学論攷
十四 和漢聯句抄読
十五 儒者に学んだ歌人たち――実業・通茂・蘆庵・景樹
十六 「歌はをさなかれ」の思想
十七 『万葉代匠記』の思想
十八 蕪村発句解十二章
十九 「蝶々」と『開元天宝遺事』
あとがき



