出版社内容情報
始まりのフロイトは、何を開始したのだろうか――精神分析の創始者、ジークムント・フロイトが歩んだ軌跡は、決して一本道ではなかった。挫折や葛藤を含み込んだ彼の思想は、他なるものと接する地点、すなわち「異境」のなかでこそ形づくられる。異境を見据えつつ、あるいは自らも異境に留まり続けた、まったく新しいフロイトの肖像。
【目次】
はじめに――地理精神分析のためのフロイト研究
凡 例
第一章 冥界めぐり――『夢解釈』の銘について
一 冥界を動かさん
二 力としての抑圧
三 『夢解釈』の歩み
四 二つの種類の心的配列――迷宮と地層
五 荒唐無稽と父への畏敬
第二章 ダイモーン――転移の彼岸へ向けて
一 転移とダイモーン
二 ダイモーンかつテュケー
三 ダイモーンの二つの相貌(1)――転移神経症の三角形
四 ダイモーンの二つの相貌(2)――ナルシス疾患、切断という病
五 人類の二つの体制
六 死の欲動の方へ――自我の痛み
七 欲動の歴史のなかの死
八 生の「本来的帰結」――危機的闘争へ
第三章 大衆と戦争――第一次世界大戦後の精神分析と政治
一 精神分析運動と大衆
二 大衆とヨーゼフ療法
三 「父なき社会」で――フェデルンとフロイト
四 グループとしてのネーション
五 国家とネーションのあいだ――ケルゼンとシュミット
六 発生論的転回――超自我の由来
七 なぜ戦争なのか
第四章 アナンケーと偶然――「レオナルド」論をめぐって
一 現実への一致――錯覚から科学へ
二 科学者レオナルド
三 レオナルドのコンプレクス
四 母なる自然と死の必然
五 偶然と行為
第五章 彫像のフェティシズム――考古学と精神分析
一 フロイトの部屋
二 古層からの誘惑
三 精神性の進歩的断絶
四 二重性の構築
終わりに――異境としてのパレスチナ
注
あとがき
事項索引
人名索引



