出版社内容情報
「特別なものの社会論理」が優位に立つ後期近代の社会――それが独自性の社会である。かつて近代化を牽引した経済とテクノロジーが「特別なものの爆発」を招き、社会の分断が加速するなか、人びとは何を共有できるのか。ヴェーバーを超える視座で近代の構造転換を描いた現代ドイツ社会学の金字塔、待望の翻訳。宇野重規さん推薦!
【目次】
序論 特別なものの爆発
第1章 一般的なものの社会論理と特別なものの社会論理の間にある近代
1 一般的なものの社会論理
2 特別なものの社会論理
3 文化と文化化
4 文化領域の変容
第2章 独自性のポスト工業経済
1 文化資本主義における唯一性の財
2 文化的な独自性の市場
第3章 労働世界の独自化
1 クリエイティヴ経済における労働行為と組織の実践
2 労働主体における自己による独自化と他者による独自化
第4章 独自化としてのデジタル化――文化マシーンの台頭
1 文化化のテクノロジー
2 文化的な独自化のプロセスと機械的な独自化のプロセス
第5章 独自性志向の生活態度――ライフスタイル、階級、主体形態
1 新たな中産階級のライフスタイル――成功に満ちた自己実現
2 独自性志向のライフスタイルの基本要素
3 不平等の文化化
第6章 差異型自由主義と文化本質主義――政治的なものの転換
1 開放型・差異型自由主義とローカルなものの政治
2 文化本質主義の台頭
結論――一般的なものの危機?
謝 辞
注
訳者解題 「近代」の構造転換を前にして
文献目録
人名索引/事項索引
内容説明
「特別なものの社会論理」が優位に立つ後期近代の社会―それが独自性の社会である。二〇世紀半ばに「工業的近代」として頂点に達した古典的近代の社会は、形式合理化が徹底され、「一般的なものの社会論理」が支配していた。しかし後期近代に入ると、工業的近代を牽引した経済とテクノロジーが「特別なものの爆発」を引き起こす。格差が拡大し、承認を得られなかった人びとの失望が広がり、公共圏が失われるなかで、社会的、文化的、政治的に共有可能なものの構築は可能か。ヴェーバーらを超える視座で近代の構造転換を論じた、ドイツ社会学の旗手レクヴィッツの主著、待望の翻訳。
目次
序論 特別なものの爆発
第1章 一般的なものの社会論理と特別なものの社会論理の間にある近代
第2章 独自性のポスト工業経済
第3章 労働世界の独自化
第4章 独自化としてのデジタル化―文化マシーンの台頭
第5章 独自性志向の生活態度―ライフスタイル、階級、主体形態
第6章 差異型自由主義と文化本質主義―政治的なものの転換
結論 一般的なものの危機?
著者等紹介
レクヴィッツ,アンドレアス[レクヴィッツ,アンドレアス] [Reckwitz,Andreas]
1970年ドイツ・ヴィッテン生まれ。社会学者、文化理論家。ケンブリッジ大学でアンソニー・ギデンズに師事し、修士号を取得。現在、フンボルト大学ベルリン社会科学研究所教授。現代ドイツを代表する社会学者として知られ、ドイツ出版社・書店協会賞(国際人文学部門。2014、2018年)、バイエルン書籍賞(実用書部門。2017年)、DFG(ドイツ研究振興協会)のゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞(2019年)など数多くの賞を受賞。2021年にはハイデルベルク科学アカデミーよりアカデミー・メダルを授与された
橋本紘樹[ハシモトヒロキ]
1992年生まれ。九州大学大学院言語文化研究院助教。専門は現代ドイツ文学・思想
林英哉[ハヤシヒデヤ]
1989年生まれ。関西大学文学部准教授。専門は近現代ドイツ文学
中村徳仁[ナカムラノリヒト]
1995年生まれ。三重大学人文学部助教。専門は近現代ドイツ哲学、社会思想史。批評誌『夜航』主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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