出版社内容情報
「この車に乗ったら最後、お前の身体は、一から十まで作り変えられる」。師に見出され殺しの道を歩みはじめた彼女は、死と隣り合わせの最終訓練に臨む。人を破壊する術を身につけることは、人として、女としての「普通」の一生を粉々にすること──。伝説の殺し屋誕生を濃密に描き出す、戦慄と陶酔ほとばしる『破果』外伝。
内容説明
「この車に乗ったら最後、お前の身体は、一から十まで作り変えられる」。師に見出され殺しの道を歩みはじめた彼女は、死と隣り合わせの最終訓練に臨む。人を破壊する術を身につけることは、人として、女としての「普通」の一生を粉々にすること―。伝説の殺し屋誕生を濃密に描き出す、戦慄と陶酔ほとばしる『破果』外伝。
著者等紹介
クビョンモ[クビョンモ]
作家。ソウル生まれ。2008年に『ウィザード・ベーカリー』でチャンビ青少年文学賞を受賞し、文壇デビュー。2015年には短編集『それが私だけではないことを』で今日の作家賞、ファン・スンウォン新進文学賞を、2022年には短編「ニニコラチウプンタ」でキム・ユジョン文学賞を受賞(以上、未邦訳)
小山内園子[オサナイソノコ]
韓日翻訳者。NHK報道局ディレクターを経て、延世大学校などで韓国語を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
158
「破爪」の前日譚。外伝と言われている本作は別な意味で衝撃的だった。主人公が「業者」になるべく受ける訓練の日々を描く極めて短い物語。物語にもう少し膨らみを持たせて欲しかった。せめて「業者」デビューを果たすまで描いて欲しかった。当然それを期待していた。楽しみにしていたのに。作者へのインタビューと解説追加で無理繰り120ページの薄い本として仕立て上げて税別1700円で売りに出す、出版社の良心を疑う。明らかに価格設定がおかしい。こんな事がまかり通る様では出版業界の将来は暗い。この本は売れない。俺は買わない。 2025/03/13
ネギっ子gen
68
【どの瞬間にも考えなきゃいけないが、考えに溺れたら、死ぬぞ】『破果』外伝。殺しの道を歩み始めた爪角は、死と隣り合わせの最終訓練に臨む。伝説の殺し屋誕生の場面を、圧倒的な文章力を駆使し鋭利なナイフでスパッと切り取るように描いた手腕に唸る。解説あり。収録の著者インタビューで、<小説を書くときも、私が一番心を砕くのは文章についてです。/小説は文章の芸術だと思っています。例を挙げると、ストーリーだけをスピーディに見せるのであれば、単に「銃を撃った」「ナイフで刺した」とだけ書いても、さして問題はないでしょう>と。⇒2024/08/17
pohcho
58
「破果」の外伝。後に伝説の業者(殺し屋)となる爪角(チョガク)が山中で師と二人、最終訓練に臨むひと時が描かれる。妻のいる師に対する爪角の秘めた想い。これからどんどんせつなくなると予感させつつ話は終わり。80頁の本編の他、著者インタビューと深緑野分さんの解説。一冊の本にするにはちょっとボリュームが・・という感じだけど、また「破果」を読み返したくなった。2024/08/08
やいっち
49
「破果」を読んでアクションシーンの緊迫感はなかなかなんて感想を書いた。外伝らしく本作も読ませてくれた。感想は(書けたら)後日に。2024/10/26
yumiha
46
老女の殺し屋、爪角が魅力的だった『破果』の外伝。でも、本書の爪角は、殺し屋デビュー前の最後の修行?訓練?を積む若い女。後ろ手に縛られ足首も結束された状態で転がっている。その身体の上を蛇が這ってゆく‥怖いよ、気色悪いよ😢その訓練の描写の合間に、室長リュウへの切ない思慕が挟まる。80ページの短さだからか、作者へのインタビューが付け加えられている。「書くことに大きな割合を占めているのは、運命と本能」と語る作者。自分ではどうすることもできない宿命とやらを受け入れて、その中で何とか生き抜こうとする姿を描きたい?2024/09/12