出版社内容情報
アメリカは、なぜ「理念」の看板を下ろさないのか。理念と現実との往還に着目しながら、アメリカ外交を支える思想的基盤を歴史の中に探ってきた著者による待望の論集。ウィルソン外交を読みとく論文を軸にし、スペイン内戦との関わり、著者の生きる同時代の事象をめぐる諸論考、さらには好評を博した新聞書評を収録する。
内容説明
アメリカが世界に発信する理念は、ときには残虐な戦争へ、ときには大きな挫折へと帰着する。にもかかわらず、理念の看板を下ろさせないのはなぜか―。その謎(エニグマ)に取り組んできた著者による待望の外交史論集。アメリカ外交の特質をウィルソン外交に読みとく論文を軸にしながら、スペイン内戦とアメリカとの関係、著者の生きる同時代の事象をめぐる諸論考を収録。また、好評を博した新聞書評などの小文も収める。アメリカの理念と現実との往還に着目しながら、アメリカ外交を支える思想的基盤を歴史の中に探る試み。
目次
第1部 アメリカ外交の系譜(アメリカ「国際主義」の系譜―ウィルソン外交の遺産;モンロー・ドクトリンの普遍化―その試みと挫折;ウッドロー・ウィルソンとメキシコ革命―「反米主義」の起源をめぐる一考察)
第2部 スペイン内戦とアメリカ(ラディカルたちのスペイン内戦;アメリカのカトリックとスペイン内戦)
第3部 同時代史としてのアメリカ外交史(世界人権宣言とアメリカ外交;ベトナム戦争、黒人解放運動をめぐる日本の論調―一九六〇年代後半から一九七〇年代前半にかけて;ポスト冷戦とアメリカ―「勝利」言説の中で;オバマ大統領広島訪問の歴史的意味;アメリカはどこへ行くのか―時論)
第4部 アメリカを読む、世界を読む(ジョージ・ケナンの語る冷戦史―回顧録によせて;「新大陸」へのまなざし;アメリカの政治と文化を読む;世界の政治と文化を読む)
著者等紹介
西崎文子[ニシザキフミコ]
1959年宮城県生まれ。現在―東京大学名誉教授、成蹊大学名誉教授。専攻―アメリカ政治外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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