出版社内容情報
社会の根本的なテーマなのに、実に論じにくく、理論も存在しなかった「権力」。そもそも権力は、存在するのか。ホッブズの社会契約説。旧約聖書。 税と軍隊。王に従うゲーム。権力を法に置き換えられるか。主権。白い権力と黒い権力。 ルールと民主主義……。権力という現象の全貌を明かす書き下ろし。
内容説明
社会の根本的なテーマなのに、実に論じにくく、理論も存在しなかった「権力」。そもそも権力は、存在するのか。ホッブズの社会契約説。旧約聖書。税と軍隊。王に従うゲーム。権力を法に置き換えられるか。主権。白い権力と黒い権力。ルールと民主主義。権力という現象の全貌を明かす書き下ろし。
目次
第1章 権力の古典理論
第2章 旧約聖書と権力
第3章 権力の諸理論
第4章 権力とルール
第5章 民主主義
第6章 権力と社会
著者等紹介
橋爪大三郎[ハシズメダイザブロウ]
1948年生まれ。社会学者。大学院大学至善館教授。東京工業大学名誉教授。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ta_chanko
14
民主主義とは西洋近代に生まれた、きわめてローカルな制度であって、普遍的な制度ではないかもしれない。自然権や天賦人権論は、「人間が神から授かった平等な権利」が前提となる。これを共有していないカトリック・正教・中国・イスラムなどの社会では民主主義は定着しにくい。また、権力の暴走を防ぐために「憲法」を定めるとしても、「憲法制定権力」が必要になってしまう。ゲームのルールを定めるためには、ゲームの外部の力が必要。その力を担うのは誰なのか?2023/10/01
はとむぎ
10
全てを疑い、何故を問い構造を明らかにする。わかっているようでわかってない権力、言語、民主主義について考察して定義している。根本を考えることは、強い力となると再認識。恐れ入りました橋爪大先生!2023/12/09
takao
4
ふむ2024/05/16
Go Extreme
2
権力とは何かという根本的な問いの探求・その本質的な理解の試み 存在と不可解さー理論的に説明されることが少ない 仮説的構成体としての性質ー仮定された概念 自由との関係ー自由と対立・自由を保障 法との関係性ー法そのものも権力の一部 普遍性の疑問権 二面性ー白い・黒い権力 支配との関係ー支配の手段・支配関係を正当化 再生産 象徴的側面ー社会のルールや慣習と関連 正当性の条件ー市民の合意や法的枠組み 宗教的正統性 相互作用的性質ー支配される側との関係性 学問的探求の必要性ー社会科学分野でさらなる理論的探求が必要2025/01/10
chiro
2
「権力」という言葉が持つ威圧感は誰でも感じるしそれが前面に出過ぎると服従という感覚に囚われるが、著者は「権力」がどういう社会の要請、成り立ちに基づいて作られてきたかを示してくれている。共同体が顔の見えるレベルの小さなコミュニティーであれば意思の整合を図ることは難しくないがこれがより大きな共同体となった時にその意思を整合させるものこそが「権力」だと。言語ゲームから権力を考えるという方法論がどういう形で新しいものなのかはわからないので再読は必要そうだ。2023/07/21