出版社内容情報
日本文学における古典から近代への転換は、どのように準備され成し遂げられたのか。古代からの古典をめぐる知識は近世に至って秩序化され、出版文化の発達と共にに広く浸透した。人びとは学問と文芸が融合した知の共同体のなかで個性を育んでいった。近世文学を前後の時代と連関させながら、ひろく日本の文学史を再考する。
内容説明
近世文学がもたらした古典から近代への転換。古典をめぐる知の蓄積は、近世に至って秩序化され、出版文化の発展を通して広く人びとに浸透した。学問と文芸の融合した知の共同体のなかで、緩やかに豊かに近代への転換が成し遂げられる―。近世から日本の文学史を再考する。
目次
序章 古典知の達成―文学史における近世
第1編 学問と文芸の融合―知の共同体の形成(後水尾院と林羅山―近世詩歌史の始発;後陽成天皇歌壇の展開―文化への復興へ ほか)
第2編 “型”の継承と変容―新しさの創出への苦闘(フレームとしての詩歌のことば―美の規範;和歌史の中の『万葉集』―起爆剤としての文化装置 ほか)
第3編 画と詩の交響―絵画体験と美意識の浸透(和歌と絵画が出逢う時―和歌の図像学;近世の物質文化と和歌―実在感と想像力 ほか)
第4編 神秘性から日常性へ―現実に対処する精神(鳥獣虫魚の文学史―“神との回路”と“人の心の鏡”;海の文学史―向こう側から生活世界へ ほか)
終章 近世から近代、そして現代へ―“共同性”のゆくえ
著者等紹介
鈴木健一[スズキケンイチ]
1960年東京生。1988年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。東京大学助手、茨城大学助教授、日本女子大学教授を経て、学習院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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