出版社内容情報
アメリカの政治・社会・法にとって、奴隷制とはどのような意味を持ってきたのか。独立革命から南北戦争を経て再建期の終わりまで、奴隷制廃止にいたる動きとその後の人種主義体制の確立を通史として叙述し、奴隷制をめぐる思想と議論の流れを丹念に読み解きながら、今もなお続く問題の淵源としての奴隷制を明らかにする。
内容説明
アメリカの政治・社会・法にとって、奴隷制とはどのような意味を持ってきたのか。独立革命から南北戦争を経て再建期の終わりまで、奴隷制廃止はどのようにして成し遂げられ、またその後の人種主義体制の確立へと後退していったのか。ジェファソンまたマディソンの憲法構想と奴隷制の関わり、元奴隷で奴隷制廃止運動に尽力したダグラス、リンカンの奴隷制廃止をさらに発展させようとしたサムナー、あるいは南部擁護、州自治重視の論陣を張ったカルフーンや連邦最高裁判事など、当時の人びとの思想と議論を広く丹念に読み解きながら、今もなお続く問題の淵源を明らかにする。
目次
プロローグ 歴史のなかのアメリカ革命
第1部 共和国の創成と平行主義―その軌跡と破綻(建国憲法体制と奴隷制の拡大;共和党の結成と南北間の緊張の激化 ほか)
第2部 累々たる屍の先に―奴隷制廃止の前後(内戦とリンカン、奴隷制廃止への道;新たな市民共和国への展望 ほか)
第3部 過去をみつめ、違いをこえようとする努力とその蹉跌(再統合への道―歴史としての「再建」;国民とは何か―サムナーの共和政体論 ほか)
エピローグ プラグマティズムとアメリカのジレンマ
著者等紹介
紀平英作[キヒラエイサク]
歴史家(近現代世界史)。1946年、東京都生まれ。京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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