出版社内容情報
コミュニケーションとは意思の伝達でしかないのか。従来の哲学理論は会話という普遍的な現象を正当に扱いえていたのか。「対話」や「熟議」以前の「会話」と、それに支えられる「社交」について「視線を下げ」て考える。人類学や社会学、言語学の成果を踏まえ「平等」「共生」の手前にある「対等」「共在」の倫理学構築に向けた試み。
内容説明
コミュニケーションとは意思の伝達でしかないのだろうか。これまでの哲学的なコミュニケーションの理論は、会話という普遍的な現象を正当に扱いえていたのだろうか。こうした問題意識にもとづいて、「対話」や「熟議」以前の、「おしゃべり」に代表される「会話」と、それに支えられる「社交」についてあえて「目線を低く」して考察する。人類学や社会学、言語学の成果を踏まえつつ、「平等」「共生」の手前にある「対等」「共在」の倫理学の構築をめざす新しい試み。
目次
第1部 会話の哲学(哲学と会話―その不幸な関係;コミュニケーションは伝達ではない―コードモデルとその限界;コミュニケーションの推論モデル―関連性理論;コミュニケーションと意図の再現―デリダと言語行為論;デイヴィドソンと言語)
第2部 社交の倫理学(社交の思想家たち;だれがどこで会話をするのか?;無知と寛容と信頼と;共在の倫理学へ向けて)
著者等紹介
水谷雅彦[ミズタニマサヒコ]
1957年大阪市に生まれる。1979年京都大学文学部哲学科卒。1985年京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。倫理学専攻。神戸大学専任講師、助教授を経て、現在、京都大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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