出版社内容情報
大学などの学術界から「外」に出た博士たちは、何を感じ、どう生きているのか。研究の経験は、その後にどう活かされるのか。企業の研究職から官僚そして指揮者まで、主に理系の博士号取得者たちが、酸いも甘いもひっくるめて語りつくす。21人の目は「外」の世界をいきいきと映し出し、そしてアカデミアのいまを見つめる。
内容説明
大学などの学術界から「外」に出た博士たちは、何を感じ、どう生きているのか。研究の経験は、その後にどう活かされるのか。企業の研究職から官僚そして指揮者まで、主に理系の博士号取得者たちが、酸いも甘いもひっくるめて語りつくす。21人の目は「外」の世界をいきいきと映し出し、そしてアカデミアのいまを見つめる。
目次
1 企業につとめる
2 組織にとらわれずに生きる
3 教育・研究をささえる
4 組織をおこす
5 「越境」をかさねて
あとがき―博士号取得者の苦難と希望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobuko Hashimoto
27
大学の研究(教育)職を離れた博士号取得者のキャリアを本人に語ってもらったもの。それぞれ興味深いのだが、理系ばかりで、出身大学にも偏りがあって、データ分析などに携わるパターンが多かったのかな。人文社会科学系の人が、専門を生かして橋渡し的に活躍しているような例がないかなと期待していたが、ちょっと違った。そうした事例も出してもらえないかな。2021/11/15
haruka
14
アカデミアで長くやっても出世せず、他の道へ行った人のエッセイ集。何気なく図書館で手にとり借りてしまったけど、レベルが違いすぎて今私は何を読んでるの?って時空が歪んだ。有名国立の理系の方ばかり、就職活動すればトントン拍子で大企業や米企業へ。超エリートの緩い挫折ってこれなの?!どう転んでも高収入やん!と思ってしまった笑 全員本名だから本気の挫折の人は出てこないのかも知れないけど。編集者側もこんな普通の主婦の読者は想定していないだろうし。能力があっても適性は別。執着せず広い視点を持つべき。というのは分かった。2021/11/25
Mc6ρ助
13
ドクターの貧困が改善されたと聞くわけではなく、またこの本のインタビュイー21人(爺さまが羨むしかない才能にあふれた人々だが)、アカデミアを離れたすべての博士を代表しているかは疑わしいかもしれない。『一緒に仕事をしている仲間はほとんどが博士であり、最先端の生産技術の現場でバリバリと働いています。ここでは博士が仕事の選択肢を狭めるどころか、博士になって、ようやくエンジニアとしてスタートラインに立てる、という状況であることに、渡米して改めて驚きました。(p37)』やはり企業の博士研究者が増えるのが好ましいのか?2021/11/17
けん
13
★3.0 本書に登場する人に共通するのは2つ ・ お金より、やりがい、生きがいを優先する ・ 行動を起こす 民間企業で 働く人のキャリア論としても とても参考になると思った。 転石苔むさず、とは、 かつては ・職業や住所を転々とする人は成功しない との意味だったか、いまや ・ 行動し続ける人は時代に遅れることがない とポジティブに捉えられることが多い、らしい。 2021/11/15
teddy11015544
10
面白かった。みんな頭が良くて、何かを好きなのがよくわかった。でもこういった本の常だけど、うまくいかなかった多数の実態が零れ落ちるんだよな。まあそういうのは読むのがつらいし、まとまりもつかないだろうし。幸せはおしなべて一様だが、不幸せはいろいろな形があり、さまざまである、と(いう内容の言葉)はトルストイでしたかね。2021/10/22