出版社内容情報
第一次世界大戦下、潰えゆくハプスブルク帝国の一員だったチェコ系、スロヴァキア系の移民と捕虜たちは、新国家「チェコスロヴァキア」の樹立を目指して義勇軍を結成した。大戦とロシア内戦を戦った彼らは、列強の政治的野心に翻弄されながら「未来の祖国」を希求した。新しい国民国家の創出と中東欧の再編をめぐる、激動の世界史。
内容説明
第一次世界大戦下、ハプスブルク帝国からの新国家独立を目指して、チェコ系、スロヴァキア系移民と捕虜は、ロシアで義勇軍を編成した。この義勇軍は一九一八年春にソヴィエト政権と軍事衝突に陥り、ロシアでの内戦と日米の「シベリア出兵」の引き金となったことでも知られる。彼らは一次大戦では同胞と、独露停戦後のシベリア各地では赤軍と、二つの内戦を戦った。「未来の祖国」を希求した彼らの足跡を、世界大戦、ロシアでの革命と内戦、そしてハプスブルク帝国の崩壊をめぐる世界史のなかでダイナミックに描き出す。
目次
プロローグ 無名戦士の墓をめぐって
序章 「祖国」のかたち―その土地と住民
第1章 義勇兵たち―ガリツィアの前線へ
第2章 独立運動一九一四‐一六年―未来の祖国を想像する
第3章 ロシア革命と軍団一九一七年―ズボロフの勝利、そして東方へ
第4章 反乱一九一八年―シベリア横断鉄道をめぐって
第5章 干渉戦争と新国家の独立―「連合国の前衛」に
終章 独立後の軍団―故郷への道は遠く
エピローグ その後の軍団員たち
著者等紹介
林忠行[ハヤシタダユキ]
1950年生まれ。東京都立大学法学部卒。カレル大学(プラハ)留学、一橋大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。広島大学法学部助教授、同教授、北海道大学スラブ研究センター教授、同大学理事・副学長等を経て、京都女子大学現代社会学部教授(2014‐2020年まで学長)。専門はチェコスロヴァキア史、東欧地域研究、国際関係史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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