出版社内容情報
欧州統合における金融・通貨システムの課題を分析し、金融安定性における特有の問題構造を明らかにする。急速に進展した金融・通貨の統合に比べ、国境を超えた市場がもたらすリスクの監視や対応は長らく各国に委ねられてきた。金融安定化政策における統合が遅れた原因と結果、そしてユーロ危機後の改革の有効性を検証する。
内容説明
共通通貨ユーロの導入や欧州中央銀行の創設は、欧州に巨大な金融市場を創出した。だが、そうした“市場創出的”統合に対して、金融危機の抑止や危機管理体制という“市場修正的”統合が遅れたことが、ユーロ危機を拡大させた。欧州の金融・通貨システムにおける不均衡な統合の要因と帰結を分析するとともに、ユーロ危機後に進められた金融安定化政策のあり方を検証する。
目次
序章 はじめに
第1章 分析の視角
第2章 欧州金融システムにおける統合
第3章 ユーロ導入と国内政治
第4章 ユーロ危機下の改革と統合
終章 おわりに
著者等紹介
神江沙蘭[コウノエサラ]
ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)博士課程修了(Ph.D)。欧州大学院(EUI)マックス・ウェーバー研究員等を経て、関西大学経済学部教授。また、2019‐20年にはライプニッツ社会科学研究所(GESIS)客員研究員を務める。専門は国際政治経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。