出版社内容情報
戦後史の狭間に忘却された全15巻の作文集『世界の子ども』(平凡社)。それは、通信網も不十分な1950年代に、世界中の子どもの作文を集めて邦訳刊行するという無謀なプロジェクトであった。その編集過程を通じ、戦火消えぬ過渡期に連帯を目指す人々の希望と、忍び寄る冷戦がもたらす影を描き出す、50年代史の新たな可能性。
内容説明
世界中の生活綴方を集め、翻訳し、刊行する―未曽有の巨大プロジェクト『世界の子ども』全15巻を通じて、1950年代史の新たな可能性を描く。
目次
冷戦的な知の枠組みを問い直す
第1部 “越境”する生活綴方―教科・言語・メディア
第2部 世界を編集する―『世界の子ども』という挑戦
第3部 『世界の子ども 中国・朝鮮篇』を読む―生活綴方が映す東アジア世界
第4部 “冷戦”のはざまに消えゆく声―書くことをめぐる脱植民地化
いちばん小さいことから、いちばん大きい夢へ
著者等紹介
駒込武[コマゴメタケシ]
京都大学教育学研究科教授。専門は、教育史・台湾近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オオタコウイチロウ
1
京大教育学研究科の出来レース。 資料と論と努力の薄さよ。脂汗を流して「状況」に分け入る歴史学を欠き、鼻に着くものを、何故鼻につくか、そして気付薬程度にはなるかを自らに問う文学も含まない。二言目には“弱いもの”/“周縁“/“脱中心”の、脱イデオロギーのイデオロギー。自分と見栄えは揺らがないのだ。中国を、囲い込み済みの留学生に書かせ、葉聖陶につき、日本でしか「研究」と呼び得ない代物の、これまた同研究科出身者のソレを参照せよという。ああ、くだらぬ。戦後思想史をそこまでヤワと思うなら、初からやらぬがマシである。2021/07/15