出版社内容情報
怪談をはじめ、多彩な講談を演じて定評ある人間国宝・一龍斎貞水。八十歳を迎えてもなお古典の長編物を手掛ける一方、新たな挑戦も欠かさない。本書は、長年にわたるインタビューと綿密な取材をもとに、その半生と芸をつぶさに綴る、貞水自身も認める評伝である。ジャンル別の演目解説、先人の思い出、講談年表も収録する。
内容説明
怪談をはじめ、多彩なジャンルの講談を演じて定評ある人間国宝・一龍齋貞水。その至芸は、現代講談界の最高峰として位置づけられる。傘寿を迎えても、なお真摯に芸と向き合い、古典の長編物を手掛ける一方、新たな挑戦も欠かさない。著者は、長年にわたるインタビューと綿密な取材をもとに、講談一筋に歩んだ半生をつぶさに綴ってゆく。本書は、貞水自身も認める決定版である。貞水が自ら語った演目解説、先人の講談師の思い出に加え、講談年表も収録。資料としても貴重である。
目次
1 貞水八十年の歩み(父親のこと;初高座;第二の父、師匠貞丈 ほか)
2 講談のジャンルと貞水演目一覧(怪談もの;赤穂義士伝;世話物 ほか)
3 忘れえぬ先人たち―貞水に聞く(五代目一龍齋貞丈;二代目神田松鯉;桃川燕雄 ほか)
著者等紹介
塩崎淳一郎[シオザキジュンイチロウ]
1971年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、読売新聞社に入社。文化部で古典芸能などを担当し、現在は読売新聞東京本社クロスメディア部記者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gtn
23
師の五代目貞丈を始め、二代目松鯉、桃川燕雄、木偶坊伯鱗等、先人の教えや振舞が血肉になっていたからこそ、後年、人間国宝に認定されたのであろう。先月惜しくも亡くなったが、彼が現在に繋いだ明治の匂いは、弟子に伝えられたかどうか。2021/01/02
チェアー
10
芸を極めると言葉では簡単だが、実際に努力するのは大変だ。講談という一時は消えかかっていた芸を、ここまで復活させた貞水などの功績は大きい。「語り」の芸はすごい。 講談エリートという言葉が適当かどうかわからないが、衰えていく講談界で大切に育てられたのが貞水だった。それは貞水の一生懸命な人柄もよかったのだろう。 全体を通して、筆者が貞水礼賛の調子で書いているのが鼻につく。もっと客観的に描いたほうが貞水のすごみが伝わるのに。いい本だけに残念。2020/08/28
私的読書メモ3328
0
初めて人間国宝となった講談師、一龍齋貞水の人生を追った一冊。同時に、明治から現在に至るまでの講談の歴史を追う形にもなっており、「人間国宝」とはよく言ったものだなと感心しました。文化、伝統芸能の価値を感じさせられ、それを通して人間を、人生を考えさせられました。ただ、いささか頁数が薄い上に、講談についての解説は果たして必要だったのかなと。もっと分厚くできる、いくらでもエピソードがありそうな人物だと思うのですが。2020/08/05
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