出版社内容情報
著名な武士や華やかな江戸町人の暮らしがクローズアップされることの多い日本の近世。しかし、武士や町人は、近世においては圧倒的少数者であり、当時の人口の約八割は村に住む「百姓」であった。「百姓」の行動様式や思考パターンこそが近世社会の常識・趨勢を形作っていたのである。近年の村落史研究を牽引してきた著者の議論を一冊にまとめる。
内容説明
近世における最も普遍的かつ基礎的な集団である村落。その分析を通して、近世社会の本質を浮かび上がらせる。
目次
第1部 村をどう把握するか―研究史との対話と、方法の模索(中世・近世移行期の村を考える;近世の村の特質;近世の村をめぐる論点―批判に答える;近世・近代移行期の村を考える)
第2部 村の具体像を解明する―各地の事例から(海辺の村の一七世紀―伊豆国の事例から;畿内における山と上層百姓・村・地域―和泉国の事例から;近世・近代転換期の村と民衆運動―出羽国の事例から)
幕末に村と地域社会はどう変わったか
著者等紹介
渡辺尚志[ワタナベタカシ]
1957年東京都生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。国文学研究資料館助手を経て、一橋大学大学院社会学研究科教授。日本近世村落史。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コーリー
3
著者のこれまでの近世村落史研究を総括した本。本書では理論と実証を車の両輪として追究することを目指し、近世の村の特質を、中世・近代との関連のなかで位置づけようとしている。また分析対象としては平野部の農村に限定せず、漁村や山間の村も幅広く取り上げ、全国各地の事例が取り上げられている。あとがきには、本書は筆者の近世村落史研究一筋40年の総まとめとあり、近世村落史を学ぶ者には必読の一冊となっている。折に触れて繰り返し読み、理解を深めたい。2020/05/06
ウドのコーヒー
0
渡辺氏のこれまでの研究の到達点を示した著作。多くの事例を読み込み、所有や共同体などの古典的なテーマから逃げず、類型化のあくなき追求など、貪欲かつロマンチストな近世村落史研究者であることを示した著作。2020/11/28