出版社内容情報
介護は誰にでも「生きることの一部」になるだろう。各界の人々が「これだけは言いたい」ことを語る。
内容説明
誰にも他人事ではない。きっとあなたを支えてくれるヒントがあります。
目次
1(介護地獄にならないように(毒蝮三太夫)
介護の現実をタブーにしない(小山明子) ほか)
2(高次脳機能障害に最良のリハビリは「病前の当たり前」への再挑戦(鈴木大介)
医療現場からみた介護―高次脳機能障害をめぐって(山口研一郎) ほか)
3(家族急減社会(ファミレス社会)を目前に(樋口恵子)
高齢者支援が障害者運動から学んでほしいこと(熊谷晋一郎) ほか)
4(老いのダイバーシティ(横森美奈子)
人生をまたぐ介護(遙洋子) ほか)
5(『介護入門』と私(モブ・ノリオ)
『アカシアの道』をめぐって(近藤ようこ) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃが
51
高齢者介護をイメージにこの本を手に取ったが、認知症、障害、病気をもつ方の介護に限らず、様々な介護またケアを受けている人、介護している人の体験者や専門家などが語られていた。毒蝮さんの明治生まれのお母さんの教えは「人のお世話にならぬよう。人のお世話をするように」「病気の人を見たら、声をかけるんだよ。その人はお前と関わりがあるんだから。なぜって、お前の代わりにその人が病気になったんだ。代わりに背負ってくれているのだから」と語られていたが、今の新型コロナの対応に通ずるものがあり、心に残った。2020/04/08
kayo
23
様々な分野の方が高齢者や障害者の介護について語ってくれています。一筋縄ではゆかない介護事情が本書を読んで理解できました!という魔法のようなことはなかったですが、この中で障害を持つ娘を持つ母親の「介護される人を「お荷物」ではなく「お神輿」のようにしたい」という言葉に大きく頷き、みんなで担いでゆくのが介護なのだと思いました。2022/07/21
ネオ
17
何という本であろうか。目からウロコでした。介護職として疑問だった事、言葉に出来なかったモヤモヤ感、焦りや諦めなどが、この本によりはっきりと形になって見えてきました。知れて良かった。何度も読みたい本です。各著者の著書も読みたくなりました。2021/10/16
かもめ
13
最初のレビューで恐縮です。先頃、新聞の書評で久坂部羊先生の記事を読み、本書に興味を持った。医師や介護士・介護される当事者とその家族など、様々な視点からの介護に関する意見と感想の短編集。読み進むにつれて、重苦しい内容になる。昨今の「明るい介護」のような話はない。気になる著者のプロフィールで、肩書や他著書も参考になる。介護とは「生きることの一部」と思えるようになりたい。2020/04/04
京 遊
9
認知症・障害者などの介護/ケアについて多方面からの視点をまとめた本書で自分の介護の振返りや方針を再確認した次第で新たな気付きも得られた。毒蝮三太夫氏の「介護の三つのK(経験とコツ、心)」、もっと広く知れ渡って欲しい。「社会問題の根底にあるのは、無関心故の無知、人権軽視、想像力の欠如」であることを、介護者以前に人として肝に銘じたい。一番共感したのは、被介護者を「「お荷物」ではなく「お神輿」のようにしたい」という談話。皆で協力して神輿を担ぎ いい汗をかいて経験を共にする。多方面の力を借りて親の介護を担ぎたい。2023/01/03