内容説明
二〇世紀フランスを代表する美術史家であり、近年、再評価が進むアンリ・フォシヨン(一八八一‐一九四三)。本書は、かたち、比較、交流・伝播、民族、様式、生命といったキーワードから、フォシヨンの思考における「縦の系譜」よりも「横の響き合い」にとりわけ着目する。具体的には、同時代の歴史学、社会学、民族学、人類学、言語学、進化生物学等の諸学問が相互に参照・越境・衝突・対話しあう時空間のなかでフォシヨンの仕事と生を見つめなおし、勢力を増すナチズムや全体主義との対決までを描いていく。現在の美術史の潮流にとって先駆的であり、今なお可能性をもつ存在であり続けているフォシヨンの「かたちを通した人類学」のダイナミズムに迫る、世界的にも稀有の、本格的な作家論的評伝がここに誕生した。
目次
序章 フォシヨンへのアプローチ―過去と現在
第1章 「かたちの生命」の思想
第2章 自己形成―手、手仕事、社会
第3章 ヨーロッパ像の回復―近代絵画のパノラマと美術館
第4章 変容と残存の交響―人間学としての歴史学と中世美術
第5章 社会的次元―社会学、そして人類学の視点
第6章 かたちの生命/生命のかたち
終章 暴風の季節
著者等紹介
阿部成樹[アベシゲキ]
1962年生まれ。西洋美術史(フランス近代美術史)。東北大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科(美学・美術史学専攻)博士後期課程単位取得退学。パリ第1大学博士課程修了。同大学美術史学博士。現在、中央大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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