内容説明
故郷を追われてから70年。レバノンのキャンプに暮らすパレスチナ難民の証言を通して、苦難の歴史をつむぎ出す。0.1km2のキャンプの歴史から浮かび上がるパレスチナ問題の本質。
目次
第1章 ナクバ“大厄災”の記憶
第2章 難民キャンプの始まり
第3章 パレスチナ革命
第4章 消えた二つの難民キャンプ
第5章 サブラ・シャティーラの虐殺
第6章 キャンプ戦争と民衆
第7章 内戦終結と平和の中の苦難
第8章 シリア内戦と海を渡る若者たち
第9章 若者たちの絶望と模索
終わりに―パレスチナ人の記憶をつむぐ
著者等紹介
川上泰徳[カワカミヤスノリ]
ジャーナリスト。1956年長崎県生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)アラビア語科卒。1981年朝日新聞社入社。学芸部を経て、特派員として中東アフリカ総局員(カイロ)、エルサレム、バグダッド、中東アフリカ総局長を務める。編集委員兼論説委員などを経て2015年退社。エジプト・アレクサンドリアに取材拠点を置き1年の半分を中東で過ごす。中東報道で、2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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宇宙猫
19
★★★★★ レバノンのベイルートにある難民キャンプで取材。ユダヤ人による虐殺に始まるパレスチナ人の難民化、レバノン人による難民キャンプでの虐殺、イスラエル・シリアでの拷問、現在の状況を記録。始まりはユダヤ人だがレバノン・シリアの権力闘争に利用され市民が殺されていく衝撃的な内容。詳細はないがパレスチナ人も同じことを行っていたとあり、何十年にわたる混沌が現在のガザに繋がっており解決が難しいのも分かる。教育の機会を失った世代が子供を導くことができず、未来を描けないこともあり若者に無力感が蔓延する状況も悲しい。D2023/11/06