内容説明
「問題のない結果とは言えません」―38歳、待望の妊娠、だが出生前診断でおなかの子がダウン症だと告げられた。次から次へと続く検査、限られた時間でとてつもなく大きな決断を迫られる日々。数々の受賞歴をもつジャーナリストが、社会や自分自身のなかにある偏見と向き合い、悩み、葛藤し、揺れ動く心のうちをありのままに綴った手記。ドイツに静かな感動を呼んだ話題の書。
目次
第1章 「母親というのは誰でも子どもを愛するものですか?」
第2章 「正直なところ、わかりません」
第3章 「それでいいですか?」
著者等紹介
シュルツ,サンドラ[シュルツ,サンドラ] [Schulz,Sandra]
中国で育ち、フライブルクとベルリンの大学で政治学を学ぶ。フリージャーナリストとして日本で仕事をした後、ベルリンのジャーナリスト・スクールで学ぶ。海をテーマにする隔月誌『mare(マーレ)』の執筆者を経て、2008年総合週刊誌『Spiegel(シュピーゲル)』編集部へ。同誌の上海特派員を務めるなど、アジアに関する記事を多数発表。「ヘルムート・ステグマン賞」「アクセル・シュプリンガー賞」など数々の賞を得ている
山本知佳子[ヤマモトチカコ]
ライター・翻訳家。1980年代からドイツ、中国、インドで主にドイツ・メディアの仕事をした後、現在日本在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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柏もち
2
この本を読む前は、出生前診断とは生まれてくる子供についてどういう病または障害があるかを知っておくことで生まれた後のことに予め備えるために行う、と漠然と思っていた。しかし実際は障害のある子供だった場合早期に堕胎するため、という理由がほぼすべてのようだ。作者は散々悩んだ末に生んだが、人一人のの命の決定権をもち、人一人のの未来に対してある程度の責任を負うわけだから、悩むのは当然だ。しかしその悩みはだいたい皆同じなのに最終結論は人によって違うのだから、不思議なものだ。2020/06/26
じゅんた
1
出生前診断に関して、悩んでいた頃に読んだ本。読む前から欲しい結論は分かっていた気がする。そしてその通りの答えを本書に見つけほっとする。作者の言葉に、ダウン症の子の出生率が減っている、はたしてそれは社会にとって良い事なのだろうか、というようなものがあった。考えさせられた。2019/08/20
A S
1
面白かったです。一気に読みました。妊娠を希望している人は読んだ方がいいです。2019/08/21
massda
1
案ずるより産むが易しの「案ずる」部分がウルトラスーパーしんどい事例の手記です。とはいえさすがドイツで、障害者のケアは手厚いです。今の時代、女の人はいろいろな局面で人命にかかわる決断を下さないとならないので、子どもの頃から手厚い教育が必要だと思った。2019/08/10
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