出版社内容情報
社会科学とは何をする学問か.従来のウェーバー像とは大きく異なるその社会学の姿を明らかにしつつ考える.
はしがき この本の主題と構成,そして読み方案内
第一章 社会科学とは何か
[第一回]社会科学は何をする?
[第二回]人文学と自然科学の間で
【コラム1】 ウェーバーの方法論の研究史
第二章 百年の螺旋
[第三回]リッカートの文化科学――価値関係づけの円環
[第四回]機能主義と因果の推論――制度のしくみと意味
[第五回]システムと文化科学と二項コード――現代の座標系から
第三章 適合的因果の方法
[第六回]歴史の一回性と因果――リッカートからフォン・クリースへ(1)
[第七回]適合的因果と反実仮想――リッカートからフォン・クリースへ(2)
[第八回]「法則論的/存在論的」――「客観的可能性」の考察(1)
[第九回]「事実」と知識――「客観的可能性」の考察(2)
[第一〇回]量子力学と経験論――「客観的可能性」の考察(3)
【コラム2】骰子の目の法則論(ノモロジー)と存在論(オントロジー)
第四章 歴史と比較
[第一一回]日常会話の可能世界――因果分析の方法論(1)
[第一二回]歴史学者の思考実験――因果分析の方法論(2)
[第一三回]自然の科学と社会の科学――経験的探究としての社会科学(1)
[第一四回]比較社会学への展開――経験的探究としての社会科学(2)
【コラム3】一九世紀の統計学と社会学
第五章 社会の観察と因果分析
[第一五回]法則論的知識と因果推論
[第一六回]社会科学と反事実的因果
[第一七回]因果効果と比較研究
【コラム4】三月革命の適合的因果と期待値演算
[第一八回]事例研究への意義
[第一九回]ウェーバーの方法論の位置
[第二〇回]社会科学の現在 閉じることと開くこと
あとがき
索 引(事項/人名)
佐藤 俊樹[サトウ トシキ]
著・文・その他
内容説明
マックス・ウェーバーは、「社会に関わる因果のしくみを解明し、それを他人に伝える営み」である社会科学の創始者の一人である。彼が確立した「適合的因果」と呼ばれる因果分析の方法が、百年後の現代の社会科学における最先端の展開や論争、統計的因果推論等の手法にそのままつながっているとしたら?その出発点で、社会科学が既に「人文学/自然科学」「文科系/理科系」といった二項図式ではとらえきれないものだったとしたら?従来のウェーバー像とは大きく異なるその学術の姿を明らかにしながら「古典」に新たな生命の息吹を吹き込み、その後の「百年の螺旋」をたどることで社会科学とは何をする学術なのかを追究する。
目次
第1章 社会科学とは何か(社会科学は何をする?;人文学と自然科学の間で)
第2章 百年の螺旋(リッカートの文化科学―価値関係づけの円環;機能主義と因果の推論―制度のしくみと意味 ほか)
第3章 適合的因果の方法(歴史の一回性と因果―リッカートからフォン・クリースへ(1)
適合的因果と反実仮想―リッカートからフォン・クリースへ(2) ほか)
第4章 歴史と比較(日常会話の可能世界―因果分析の方法論(1)
歴史学者の思考実験―因果分析の方法論(2) ほか)
第5章 社会の観察と因果分析(法則論的知識と因果推論;社会科学と反事実的因果 ほか)
著者等紹介
佐藤俊樹[サトウトシキ]
1963年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程退学。博士(社会学)。東京大学大学院総合文化研究科教授。比較社会学、日本社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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