出版社内容情報
胃ガンが見つかった時に、手術を拒否した楽天家作家が選んだ道は?
内容説明
「ところで、今度は胃ガンが見つかりました。ほうっておくと大変なことになります」。肝硬変の治療のはずが、食道ガンに続いて胃ガンも見つかった!自分の身体は自分が一番知っていると信じる楽天家作家が、医者の奨める手術を拒否すると、医療漂流が始まる。自らが納得できる治療法を求め続けて、見えてきた人生は…。
目次
食道ガンだな、といわれた日
不機嫌な患者
夜明けの囁き
ガン退治に効果的な食事法
内視鏡手術だからといって侮ることなかれ
殺人ストレスのもう一つの正体
アンモニア、脳に乱入
「ところで、今度は胃ガンが見つかりました」
医療漂流事始め
再生医療たあ、何だ?
成体幹細胞の講義であります
悪い奴ほど長生きできる
樹状細胞ワクチンの使命
立ちはだかる肝硬変
免疫細胞は不滅
iPS細胞への期待
期待される患者像
免疫力で蘇る
著者等紹介
高橋三千綱[タカハシミチツナ]
1948年1月5日大阪府生まれ。作家、高野三郎の長男として生まれる。高校卒業後、サンフランシスコ州立大学入学。帰国後、『シスコで語ろう』を自費出版。早稲田大学へ入学するが中退し、東京スポーツ新聞社入社。1974年『退屈しのぎ』で第17回群像新人文学賞、78年『九月の空』で第79回芥川賞を受賞。83年『真夜中のボクサー』映画製作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
28
☆☆★ ほったらかしてガンが治るなら医者はいらない。でも不思議と何もせずに胃がんが5年で消えてしまった高橋三千綱。確かに抗がん剤で苦痛にまみれて死ぬよりも、最後まで好きなことをやって死ぬ方が人生としては良いのかもしれない。それより重度な肝硬変なのに生き続けている方も奇跡。2020/06/08
gtn
25
病を得てからも粋がって酒を手放さない割には、効果が不明な幹細胞治療にはまってみたり、生に執着があるのかないのか分からない。作者自ら身を削って物語を紡いでおり、読み物としては面白いが、闘病記としては参考にならない。2020/06/16
Makoto Yamamoto
6
「楽天家は運を呼ぶ」に続いて今年2冊目の『図書』連載の文。 長年の過度のお酒の摂取により重度の肝硬変になり、さらに食道がんと胃がん続けて罹患。 現代の高度医療に対する見方も作者らしく、近藤理論(治るのはガンもどきで、真正のは不治)、安保理論(ストレスが万病のもと、ストレスをなくし免疫力アップで病気を治す)を信望。 料亭の食事に匹敵する朝食を楽しみ、独自のアプローチ(思い込み?)で免疫力アップに努力。 結果、すぐに手術しないと大変なことになると宣言されて5年、ガンは消えてしまった様子。2018/08/02
月華
4
図書館 新聞で見かけて借りてみました。知識量がすごいと思いました。支え続けている奥さんがどのように思っているのか、少し気になりました。2018/10/03
Dr G-san
3
「九月の空」で私は高橋三千綱のファンになった。当時の記録で22冊彼の作品は読んだ。あれから約40年、「作家がガンになって試みたこと」をやっと読了、読み進めるのが辛かった。昔ながらの軽妙な語り口、初めは良かったが…。酒に溺れて肝硬変でボロボロになり、医者の言うことを聞かず、我儘で批判ばかり、そして民間療法と近藤誠を崇拝。よく岩波からこの本を出したな?素人が読んで真に受けたらどうするの? 恐らく純文学としては彼の遺作になるだろう、「パリの君へ」を彼の追悼に読むかどうか迷う(まだ生きてるけど)。 2020/03/15