出版社内容情報
人びとが安心し、信頼しあって暮らしていける社会をつくるには? 新たな「社会的投資」のあり方を、諸外国との比較を通じて提言する。執筆者=三浦まり、濵田江里子、金成垣、水島治郎、千田航、大沢真理、駒村康平、井手英策、宮本太郎
内容説明
「社会への投資」とは、個人への投資に加えて、人びとのあいだの信頼・協調関係への投資を行うことである。人びとが安心し、信頼しあって暮らしていける社会をつくるにはどうすればいいのか。オランダ、フランス、イギリス、韓国における先行事例を比較検討し、日本に必要な「社会への投資」のあり方を提言する。
目次
第1部 社会への投資、その世界潮流(社会的投資戦略の総合評価;自律・参加・コミュニティ―オランダにおける社会的投資戦略への転換;フランスの社会的投資と家族政策・最低所得保障;子どもの貧困対策にみるイギリスの社会的投資戦略の変遷;社会的投資戦略に求められるもの―韓国の経験と教訓;日本における社会的投資戦略の静かな浸透?)
第2部 日本はどうするべきか(「社会への投資」としての貧困削減;長寿社会における基盤整備としての人的資本政策;変革の鍵としてのジェンダー平等とケア;「社会への投資」を支える税の構想―分断、そして租税抵抗との闘い)
「社会への投資」に向けた総合戦略
著者等紹介
三浦まり[ミウラマリ]
1967年生。上智大学法学部教授。ジェンダーと政治、福祉国家論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きいち
24
福祉支出をコストではなく次なる成長をもたらすための「投資」ととらえる社会的投資論。社会政策論や福祉政治学の研究者たちによる研究会の書籍化。イギリス・フランス・オランダ・韓国の事例と日本の現状報告をもとに、日本の政策のあるべき姿を検討する。◇社会的投資論はもともと、福祉支出にネガティブな意見を持つ経済界や富裕層との合意形成を目指す座組。だから各国とも綱渡りだしブレるのだがそれは当然のこと。◇税か貯蓄かは同じコインの裏表とし、抵抗感の低減と資産課税との組み合わせで消費税の活用を述べる井手の議論が説得的だった。2018/11/21
まさお
1
★ ちょっと思ってた本と違ったが、寄付とは違う形の社会への投資というジャンルがあることが勉強になった2024/03/07