出版社内容情報
連合王国の一部から帝国自治領(自由国)へ──二〇世紀初頭にアイルランドが経験した変化は「革命」と呼ぶに値する。大戦前夜からイースター蜂起、独立戦争、内戦を経て自由国(後の共和国)が成立するまでを描く本格的通史。
内容説明
第一次世界大戦、イースター蜂起、独立戦争、そして内戦へ―「2つのアイルランド」への分断は、なぜ、どのようにして生じたのか。現代アイルランドを知るための必読書。
目次
序章 アイルランド革命とは?(革命の概要;自治法案と「軍事化」 ほか)
第1章 第一次世界大戦(内戦前夜から大戦へ;戦争協力という賭け ほか)
第2章 イースター蜂起(絞首刑;イースター蜂起の衝撃 ほか)
第3章 独立戦争(「アイルランド共和国」と自決権;対抗国家構築とゲリラ戦 ほか)
第4章 内戦(条約賛成派と条約反対派;ダブリンの戦い ほか)
終章 アイルランド革命の帰結(戦間期のアイルランド;総括―二つの国家の誕生)
著者等紹介
小関隆[コセキタカシ]
1960年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。京都大学人文科学研究所教授。社会学博士。イギリス・アイルランド近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
18
英国に統治されていたアイルランドには、連合王国の枠内での自立を要求する自治主義と、連合王国からの分離独立を目指す共和主義の二つのナショナリズムが存在していた。本書は第一次世界大戦を関連付けながら、イースター蜂起、独立戦争、内戦を経て、北アイルランドとアイルランド共和国が誕生していくまでの経緯を辿っている。◇内戦激化・南北分割の根底にカソリックとプロテスタントの根深い宗派対立。◆英国のEU離脱に伴う国境問題がクローズアップされる中、歴史的背景を抑えるのにも有益な一冊。2018/07/08
MUNEKAZ
7
イギリスに対する独立闘争から、英愛条約承認を巡る凄惨な内戦へと至る流れを、アルスター情勢にも触れながら描く一冊。この動乱が、WWⅠという情勢下で行われたことをとくに強調しており、英愛関係だけにとどまらない世界史の潮流の中に位置づけている。また狂言回しとして3人の人物を配しており、それぞれドイツとの連携に賭ける外交官、イギリスへの戦争協力により南北和解を目指す議員、イギリスから「転向」した作家とバラエティに富み、コリンズやデ・ヴァレラといった革命の主役たちとは違った目線で、事件を見通すことが出来る。良書。2020/05/23
takao
3
ふむ2022/07/15
キミ兄
3
アイルランドというかエール共和国成立の経緯、初めて読んだ。カトリックとプロテスタントの諍いって現代にまで引きずるものなんだろうか。これほど文明が発展した現代でも。そう考えると日本の無宗教というのは文明化が高度に進んだ結果なのか?少なくとも内戦にはならなさそう。☆☆☆。2018/08/17
TK39
2
アイルランドと言うとジャガイモ飢饉、イギリスの統治、IRAくらいしか知識はなく、新刊でアイルランド独立に関する本作が出たため、購入。イギリスからの独立、内戦の経緯が順序だって記述してあり、わかりやすい。IRAが何故存在していたのかがわかったのが収穫。 2018/05/29