出版社内容情報
ソ連復興のための労働力の確保として始まった抑留が、日本の親ソ化を担う人材を育成する事業へ変容していく過程を、民主化に伴って明らかにされた膨大なソ連公文書に加え、等閑視されてきたGHQ史料を用いて明らかにする。
内容説明
六万人を超える死者を出した「シベリア抑留」の悲劇はなぜ生じたのか。民主化に伴って明らかにされた膨大なロシア公文書に加え、従来等閑視されてきたGHQ史料を用いながら、枯渇する労働力の確保を目的として始まった抑留が、冷戦の進行の中で、日本の親ソ化を担う人材を育成するプロジェクトへと変容していく過程を明らかにする。
目次
序章 米ソ関係の中で生まれた悲劇(「シベリア抑留」とは;「シベリア抑留者」は捕虜なのか、抑留者なのか ほか)
第1章 なぜ日本人将兵は抑留されたのか(極東ソ連軍の満州進攻と関東軍の武装解除;日本人捕虜の総数 ほか)
第2章 日本人軍事捕虜の移送と収容所での生活(ドイツ人軍事捕虜と日本人軍事捕虜の交換;日本人軍事捕虜の移送と配置 ほか)
第3章 冷戦の中の変容―日本人軍事捕虜の「ソビエト化」(政治教育の始まり;「民主運動」の深化 ほか)
第4章 米国から見たソ連の日本人軍事捕虜(「プロジェクト・スティッチ」の記録から浮かび上がる「ソビエト化」の実態;政治教育の最終ステージ―ナホトカ港 ほか)
著者等紹介
小林昭菜[コバヤシアキナ]
1982年長野県生まれ。法政大学大学院政治学研究科博士課程修了。法政大学非常勤講師。第1回「村山常雄記念シベリア抑留研究奨励賞」受賞(2016年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Toska