シベリア抑留―米ソ関係の中での変容

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 272p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000612500
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C3021

出版社内容情報

ソ連復興のための労働力の確保として始まった抑留が、日本の親ソ化を担う人材を育成する事業へ変容していく過程を、民主化に伴って明らかにされた膨大なソ連公文書に加え、等閑視されてきたGHQ史料を用いて明らかにする。

内容説明

六万人を超える死者を出した「シベリア抑留」の悲劇はなぜ生じたのか。民主化に伴って明らかにされた膨大なロシア公文書に加え、従来等閑視されてきたGHQ史料を用いながら、枯渇する労働力の確保を目的として始まった抑留が、冷戦の進行の中で、日本の親ソ化を担う人材を育成するプロジェクトへと変容していく過程を明らかにする。

目次

序章 米ソ関係の中で生まれた悲劇(「シベリア抑留」とは;「シベリア抑留者」は捕虜なのか、抑留者なのか ほか)
第1章 なぜ日本人将兵は抑留されたのか(極東ソ連軍の満州進攻と関東軍の武装解除;日本人捕虜の総数 ほか)
第2章 日本人軍事捕虜の移送と収容所での生活(ドイツ人軍事捕虜と日本人軍事捕虜の交換;日本人軍事捕虜の移送と配置 ほか)
第3章 冷戦の中の変容―日本人軍事捕虜の「ソビエト化」(政治教育の始まり;「民主運動」の深化 ほか)
第4章 米国から見たソ連の日本人軍事捕虜(「プロジェクト・スティッチ」の記録から浮かび上がる「ソビエト化」の実態;政治教育の最終ステージ―ナホトカ港 ほか)

著者等紹介

小林昭菜[コバヤシアキナ]
1982年長野県生まれ。法政大学大学院政治学研究科博士課程修了。法政大学非常勤講師。第1回「村山常雄記念シベリア抑留研究奨励賞」受賞(2016年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nnpusnsn1945

45
シベリア抑留について、基本も抑えつつ、ロシア、アメリカの資料も駆使して抑留の新しい側面を明らかにしている。ハバロフスクの収容所は待遇が悪く、死亡率が高いらしい。アメリカ側から見たシベリア抑留は、赤狩りもあってか警戒されたようだ。2022/10/14

Toska

11
実は、シベリア抑留の学術的研究は日本よりもソ連/ロシアの方が先行していたとのことで、本書はその蓄積を活かした画期的な一冊。自国にとって「不都合な」このテーマから逃げなかったのは、ロシアの歴史学界の矜持を示すものと言えるだろう。無論、著者自身も独自の視点によりさらに研究を深めている。スターリンが早い段階から日本人捕虜の労働力を当て込み、ソ連移送を決めていたとの指摘は重要。噂されてきた関東軍との密約説は成り立ち難いことが分かった。2024/03/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12725205
  • ご注意事項

最近チェックした商品