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世界文学の構造―韓国から見た日本近代文学の起源

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  • サイズ B6判/ページ数 296p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000611688
  • NDC分類 904
  • Cコード C0098

出版社内容情報

韓国は漱石のような国民作家を輩出できない?近代文学と帝国主義戦争の連動からこの謎に迫る。

内容説明

なぜ司馬遼太郎は韓国で人気がないのか。なぜ漱石のような国民作家が生まれないのか。近代文学が発展する条件があるのか。日韓の文脈の差異を通して日本近代文学の起源に思いを巡らし、国民作家の誕生と帝国主義戦争が連動した世界文学の構造を浮き彫りにする。

目次

第1章 世界文学へ(小説の終焉と小説の精神;出来事の歴史と価値の歴史;韓国文学における地方主義 ほか)
第2章 国民作家・漱石はどのようにして生まれるのか(文学が韓国を救う?;近代文学の歴史的条件漱石が「満韓ところどころ」の連載をやめた理由 ほか)
第3章 戦後文学としての近代文学(近代文学は戦後文学だ;ナポレオンとロシア文学)
第4章 韓国人は司馬遼太郎をどう読むか(日韓両国を騒がせたドラマ;日本と韓国の間にある島;司馬遼太郎と韓国 ほか)
補論1 世界文学全集の構造(「世界文学全集」という問題;社会科学から教養へ;完全への努力―教養について ほか)
補論2 シェイクスピアを拒否した男

著者等紹介

〓泳日[ジョヨンイル]
1973年生まれ。文芸批評家

高井修[タカイオサム]
1963年、大阪生まれ。コラムニスト。韓国の映画雑誌『Cine21』通信員としても活動した。2016年10月、韓国文学翻訳院主催、第15回韓国文学翻訳新人賞受賞(日本語部門)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mstr_kk

13
韓国の批評家が書いた近代文学の条件論。19世紀ヨーロッパ小説が少々、日本近代小説が大いに参照され、柄谷行人の理論が応用され、韓国文学が批判されます。なかなか面白いです。今日「世界文学」と呼ばれているものは、じつはローカルな文学である。本当の世界文学とは、カントの世界共和国に対応する統整的理念である。帝国主義と植民地をもった経験のある国だけが近代文学をもつ。近代文学とは戦後文学である。韓国文学の状況もわかり、興味深いです。2017/03/25

kenitirokikuti

6
図書館にて。原著の刊行は2011年、著者の曺泳日(ジョ・ヨンイル)は1974年生まれの文芸批評家。柄谷行人に「近代文学の終わり」(2003)という『定本 日本近代文学の起源』の解説めいたエッセイがあり、それを巡って韓国の論壇で議論があったらしい。この曺氏は柄谷の側を持って論を進めたそうである。「第四章 韓国人は司馬遼太郎をどう読むか」〈韓国人は[…]倫理的な面では「容易に」批判を並べ立てる傾向があります。近代韓国のアイデンティティ(日本の否定)が、韓国の近代文学に〈日本に関する意図的な無理解〉を与える。2019/06/23

naof

1
韓国にはなぜ世界に匹敵する文学が生まれないのかという問題提起から、文学を切り口とした、歴史や日韓関係に対する考察へ展開。その観点が面白かったが、冷静な文体の中に潜在的な悲しみの感情が見て取れ、心にその後味が残った。2020/06/21

Shun'ichiro AKIKUSA

1
内容はとても勉強になった。ですます体で訳しつつ「~である」を入れるのは(もちろんいろいろ考えてのことだろうが)個人的には少し違和感がある。2017/02/09

ヤマニシ

0
「すなわち現実的にそれは、圧倒的な民族文学の時代に、国家(民族文学)に背を向けた作家たちや、自発的に内部的亡命を選択した作家たちによって、少なからず実体化され、そしてまた彼らによって生産された文学は「世界文学」に対する要請を一層協力なものにしてきたと言えます。」(p29)2022/04/26

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