出版社内容情報
世界的な写真家、石内都が、封印を解かれたフリーダ・カーロの遺品を撮影。時を超えて蘇るフリーダの生。
内容説明
メキシコを代表する画家、フリーダ・カーロ(1907‐1954)。病や障害に苦しみ、時代の荒波に翻弄されつつも、ひとりの女性として、表現者として、熱く生きたフリーダ。彼女の作品と人生は、現在でも世界中の多くの人々に支持されている。今はフリーダ・カーロ博物館となっている、フリーダが終生をすごした“青の家”。そのクローゼットやバスルームは、彼女の没後、固く閉ざされてきた。2004年、没後50年を経て、その封印が解かれる。2012年、メキシコ人キュレーターの要請を受け、石内都がフリーダ・カーロの遺品を撮影。色鮮やかな伝統衣装、アクセサリー、化粧品、病との格闘が偲ばれるコルセット、医薬品―思いを宿したものたちとの対話から、時を超えて蘇るフリーダの生。
著者等紹介
石内都[イシウチミヤコ]
群馬県桐生市生まれ。1979年第4回木村伊兵衛写真賞受賞。2009年第50回毎日芸術賞受賞。2014年ハッセルブラッド国際写真賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひほ
23
フリーダの遺品写真集。コルセットとか左右の高さの違う靴とか薬とかフリーダ自身の息遣いが聞こえてくる気がしました。2022/07/13
紫羊
20
写真家石内都が画家フリーダ・カーロの遺品を撮影する様子を記録したドキュメンタリー映画を観た。フリーダの、愛されることへの激しい渇望が、左右の踵の高さが違う靴や鎮痛剤の残ったままの瓶といった遺品から伝わってくる。2022/09/27
たまきら
18
う~ん。ひろしまの服ほどには胸に響きませんでしたが、躁状態の、爆発するようなフリーダの生々しさと、アジア的な石内主観が奇妙に混ざり合っていて面白かった。横浜バンクアートにて。2016/12/05
チェアー
12
遺された鎮痛剤が入った瓶やバスタブを見ていると、よくわからない感情がせりあがってきた。フリーダについてまったく無知。知るきっかけとしたい。2016/08/11
宇宙のファンタじじい
5
「あっと驚く結末」よりも読み返したいのはこんな本!!フリーダについては詳しく知らなかったため、初読ではただ「彼女はこんな服や靴を愛した」という風に映る。しかし、読み進めるうちに微かに違和感を覚え、巻末の解説でその正体が明らかになる。そして再読。今度は「痛み」の側面を強く感じるようになる。服も、靴も、すべてが「彼女が生きるため」に在ったものだと。彼女の「生」に触れる一冊。2016/08/22