出版社内容情報
どんな不遇にあってもユーモアを失わず生きた、力強い「肯定の思想」とは？今こそ新鮮な大古典の魅力！
内容説明
「仁」とは誠実な思いやり、人間愛―。のびやかにして剛毅、おおらかな楽観主義と陽性の健やかさに満ちた、人間・孔子。はつらつと弟子たちと語り合い、学問や音楽を心から愛し、どんな不遇のどん底でもユーモアを失わずに生きぬいた、力強い「肯定の思想」とは。今こそ新鮮な大古典の魅力を存分に味わえる、必携の一冊。
目次
学而 第一
為政 第二
八〓（いつ） 第三
里仁 第四
公冶長 第五
雍也 第六
述而 第七
泰伯 第八
子罕 第九
郷党 第十
先進 第十一
顔淵 第十二
子路 第十三
憲問 第十四
衛霊公 第十五
季氏 第十六
陽貨 第十七
微子 第十八
子張 第十九
堯曰 第二十
著者等紹介
井波律子［イナミリツコ］
１９４４年富山県生まれ。１９６６年京都大学文学部卒業。１９７２年同大学院博士課程修了。金沢大学教授、国際日本文化研究センター教授を経て、同名誉教授。専門は中国文学（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ばりぼー
35
『子路13-24』「子貢問いて曰く、郷人皆な之れを好まば、如何。子曰く、未だ可ならざる也。郷人皆な之れを悪まば、如何。子曰く、未だ可ならざる也。郷人の良き者之れを好み、其の不善なる者之れを悪むに如かず。」（子貢が尋ねて言った。「同じ地域に住む人みんなに好かれるというのは、どうでしょうか」先生は言われた。「まだ十分じゃないね。」「同じ地域に住む人みんなに嫌われるというのはどうでしょうか。」先生は言われた。「まだ十分じゃないね。同じ地域に住む良き人から好かれ、良くない者から嫌われるのには及ばない。）2018/01/01
はるわか
24
孔子は、心身ともに健やかで、明朗闊達、ユーモア感覚にあふれ、なまじの困難をものともしない強靭な精神をたもちつづけた。喜怒哀楽はいたってはげしく、哀しいときは身も世もあらず嘆き、腹が立つときは想いきり怒り、容赦なく辛辣な批判を加える一方、うれしいとき、楽しいときは手放しで喜びに浸り、気分を高揚させた。鷹揚迫らぬ大いなる秀才の顔回、才気煥発、機敏な秀才の子貢、直情径行の快男児の子路。『論語』が孔子の著書ではなく、弟子たちと語り合った対話の記録であるということは、この書物の稀有の魅力の源泉となっている。2016/11/18
けんけんだ
12
やっと読み終わりました。消化しきれていない。繰り返し読むものなのでしょう。克己復礼、過ぎたるは猶及ばざるが如し、仁、義、信、儀礼とか徳義とか、なるほどです。2022/01/23
hajimemasite
4
部分的にしか読んでいなかったので通して読んでみた。慣習を極端に重要視するきらいがあり、また、理由の説明を省く傾向もあるので儒教的価値観は本質的に科学的手法と対立するし、ある意味キリスト教的価値観と同じくらい近代と進化を否定しているように思える。なので孔子本人より、よりプラグマティスティックな弟子たちの『子張』が最も好みだった2018/01/11
snow
3
あたりまえですが、入門編よりはるかに読みごたえがありました(笑)。ページレイアウトの工夫や説明の丁寧さなど読みやすく作られていると思います。完訳なので分厚さに慄きますが、論語の文章自体短い文章がまとまったものなので、気づいたら読み終わった感がありました。2022/03/09
