出版社内容情報
「ネット右翼」的な奇妙なナショナリズムのあり方を、政治思想、社会運動論、国際比較、メディア論など多様な視角から分析する。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mittsko
6
中堅どころ8人の執筆者たちによる現代政治論集。切れ味がとても鋭い! すばらしく充実した一冊だ。具体的な研究対象は、日本のネトウヨ、排外主義、ネオレイシズム、歴史修正主義、およびそれらへのカウンターなどの一連の動きで、欧州と豪州の同様の動きについて論考が一本ずつ含まれる。導入章と最終章を編者の山崎望さんが担当(氏の問題整理と概念使用の腕前がうなるほど見事だ)。表題にある「奇妙なナショナリズム」とは、従来型ではない、ナショナリズムの新形態を指す。このテーマで研究会が組織され、その成果が本書だとある。2019/10/08
えんさん(연싼)@読書メーター
3
排外主義やレイシズム、「ネット右翼」の台頭を分析した論文集。タイトルの「奇妙な」という部分は、単に国民/非国民をつくるのではなく、この二元論をレイシズムと共に国民内でも作っていく点だ(その対象は反体制的なものなら何でもありになる。反原発デモ、反安保、フェミニズムとか)。このような形のナショナリズムが拡大することは、もはや国民国家の限界であるのかもしれない。にも関わらず「○○人」という物語が今なお強調される状況を冷静に見る姿勢が求められるはずだ。2016/02/02
ぼっこれあんにゃ
2
×従来のナショナリズムは国の外側に敵を作ることによって、国の内側にある多様な民族や階級の国民を一つに束ねて行こうとする思想であるが、奇妙なナショナリズムというのはそれとは逆に、在日などの架空のカテゴリーを作って、ややもすると、国を分裂状態に落とし込みかねないという目指すところがよくわからないものらしい。とは言え、このほんの読みづらさはアウトだった。言葉は難しく、論理もわかりづらく、とても人に勧められたものではない。テーマが興味深いものだけによけいがっかりした。2016/01/27
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