ファンドーリンの捜査ファイル
トルコ捨駒スパイ事件―ファンドーリンの捜査ファイル

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  • サイズ B6判/ページ数 228p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000610490
  • NDC分類 983
  • Cコード C0097

出版社内容情報

国際的陰謀渦巻く露土戦争の最前線で出逢った、無邪気でやんちゃな美少女ワーリャ。女の子が戦場で大活躍の新しい『戦争と平和』。

内容説明

時は一八七七年、舞台はバルカン半島。オスマン帝国と睨みあう、ロシア陣営最前線。果たしてチェックメイトをかけるのはどちらか?スパイ合戦の只中へ、婚約者を追って単身乗り込む主人公は、ときに乙女、ときに無謀、愛すべき“進歩的な”美少女ワーリャ!血の匂いと陰謀渦巻く戦場で、彼女に出逢ったファンドーリンは―女の子が主人公の“新しい『戦争と平和』”ここに誕生!

著者等紹介

アクーニン,ボリス[アクーニン,ボリス] [Акунин,Борис]
1956年生まれ、ロシアの作家。本名、グリゴーリイ・チハルチシヴィリ。1998年より、日本語の「悪人」から考えだしたという「アクーニン」のペンネームで歴史推理小説ファンドーリン・シリーズを次々に発表、空前の大ブームを巻き起こす。ロシアでナンバーワンのベストセラー作家。日本の歴史や文学に造詣がふかく、三島由紀夫、丸山健二、島田雅彦、多和田葉子らのロシア語訳や、研究書『自殺の文学史』(作品社)などの著作もある

奈倉有里[ナグラユリ]
1982年生。ロシア国立ゴーリキー文学大学(モスクワ)文学部翻訳学科卒業、東京大学大学院博士課程。専門はロシア詩、現代ロシア文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

九月猫

44
ファンドーリンの捜査ファイル第二弾。って、あれ?主人公はワーリャという22歳のおてんば娘。ファンドーリンはというと……随分様子が違う。アザゼル事件の後遺症でこめかみは白髪で吃音、弾む若さは失われ暗い翳引く青年に。だけど頭の切れと賭け事の負け知らずは健在。1877~78年の露土戦争の野営地を舞台になぜだかふたりでスパイ事件を追うことに。露土戦争について、登場人物のモデルについて、そしてワーリャの逆ハーレム設定についても詳しく書かれた解説までおもしろかった。ピンと来なかったタイトルは読み終わると、納得。2015/10/10

紅はこべ

36
スパイを探せがテーマ。ヒロインのワーリャは男女同権を主張し、自立するために手に職をつけることに熱心な独立心旺盛な女性だが、ちょっとイケメンにちやほやされるといい気になっちゃう軽薄な面もあり。そこが『戦争と平和』のナターシャと重なるか。でもそんな彼女の視点で語られる小説だからこそ、ラストのスパイの告白は胸を打つのだろう。このスパイが最もファンドーリンと共通しているのかも知れない。スパイの正体と意図を知った時、このタイトルの持つ意味がわかる。『アキレス将軍』を読み返したくなったな。2015/09/12

セイコリーノ 願わくは図書館、本が「希望の綱」となりますように

5
そもそも露土戦争言われても…日本人にはちと馴染みがないです。ワーリャが美人なのかもよく理解できなかったし。 本作より次のリヴァイアサンのほうが気に入りました。 記者というものが、そんなふうに立ち入り、取材できる、っていうのもピンとこなかった。2021/08/04

A.Sakurai

5
アクーニンの推理小説シリーズ二作目は,第一作とはかなり肌触りが異なる.おてんば娘ワーニャを戦場に放り込むというラノベのような構成.この戦場は1877年の露土戦争の最前線.読者はワーニャ同様予備知識が全くない状態で,史実通りの戦場を見せられて19世紀の国際情勢を実感させられる.推理モノとしても第一作よりは練られているが,やはり主役は歴史のようだ.最後に開陳されるロシア評こそがタイトルに絡んだ主題だろう★主要登場人物の一人がスコベレフがモデルと解説で読んで仰天.中央アジア史でお馴染みのトリックスターじゃないか2015/08/03

ocean

4
1877年~78年のロシアとオスマントルコとの戦争という史実に架空のスパイ物語を上書きした作品。 志は良いのだけれど一面的な知識しか持たず、またかなり軽薄、という主人公ワーリャのキャラが私は好きになれませんでした。戦地で行動が制限される民間人の女性である彼女の視点で描かれる物語は、特に前半は人の話を聞くばかりという感じでかなり退屈(その中で伏線が張られて行くわけではあるのですが)。終盤はスリリングな展開もあり面白くなります。 戦争を多面的な視点で描いている点は好感が持てる作品です。 2015/07/29

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