出版社内容情報
長期経済推計に基づいて、2000年にわたる世界経済史の輪郭を描き、来るべき2030年の世界経済を予測する。
内容説明
長期経済推計の碩学による、これまでの研究の集大成であり最後の書。第1部では、世界各地域の実質GDPの歴史統計に基づき、西暦1年から2003年までの世界経済史の輪郭を描きだす。第2部では、数量的経済分析の研究史とそこでの論争を紹介し、第3部では、これまでの長期推計を基に、2030年の世界経済を大胆に予測する。
目次
第1部 世界発展の輪郭―紀元1~2003年(ローマ帝国とその経済;西ヨーロッパの復活とアメリカの転形;アジアと西の相互作用―1500~2003年;イスラムとヨーロッパがアフリカの発展に与えた影響―紀元1~2003年)
第2部 マクロ計測の進歩(マクロ計測の先駆者たち―政治算術学派と歴史人口学者;現代のマクロ計測―われわれはどこまできたか?)
第3部 来るべき事態の姿(2030年の世界経済)
著者等紹介
マディソン,アンガス[マディソン,アンガス] [Maddison,Angus]
1926‐2010。イギリスの経済学者。オランダ・フローニンゲン大学名誉教授。ケンブリッジ大学で歴史と経済学を専攻、卒業後いくつかの大学の特別研究員や講師を務め、1953年にOEEC(現OECD)に勤務。1978年からはフローニンゲン大学教授に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
39
2007年初出。本書の目的:どのように世界のある部分が豊かになり他の部分が立ち遅れてきたのか、それはなぜかを説明する諸因を確認すること(1頁)。キース・ホプキンズは、奴隷は自由労働者より2倍も激しく働きうるし、扶養する女や子供の割合も小さかった(47頁)。数量歴史学者・経済学者、数カ国語に堪能で愛書家。国民所得、金融構造、資本形成、株式資本の比較分析に貢献したレイモンド・ゴールドスミス(1904-88)は知らなかった(61頁)。2016/04/25
記憶喪失した男
8
この本には、十七世紀から十九世紀にかけてアジアへやってきた西洋人の人数が書かれている。他にも、中国とインドがかつてどれだけの経済力を誇ったか、欧米の経済力がどのように推移したかが書かれている。統計を読むのは難しいが、世界史の理解が大きく変わる本だった。2020/07/13
いとう・しんご singoito2
7
杉原きっかけ。17世紀に始まった国民経済統計の歴史が面白かった。基本的にはそうした統計に基づいて過去の人口やGDPを推計し、それに基づいて世界史を概説しようとする本。でも、例えばローマ帝国治下のエルサレムの人口を1万人と推計しているんだけれど、その妥当性は、結局、誰にも分らないんですよね。歴史を知るとは何をしることなのか、数字とは何をしることなのか・・・考え込んでしまいました。2023/11/01
むろ
6
2016年4冊目。紀元1年から2030年までの世界の経済の概観を解説した本。 内容としては、世界史の簡単な振り返りから、マクロ経済学までをカバーしている。ある程度の、世界史とマクロ経済学の基礎知識は必要である。 日本についてもある程度ページを割いて書かれており、参考になる部分もあった。ただ、あまりにもカバーする範囲が広すぎるため、少し説明不足と感じる部分もあった。諸外国の経済を体系的に学ぶためには、おすすめであると感じた。2016/01/25
かなた
3
歴史観上一貫してアジアが最も人口の多い地域。中国インドは歴史的に大国であった期間が圧倒的に長い。列強に中国は一世紀、インドは二世紀に渡り占領されていたが、再び大国となるだろう。2023/10/13