内容説明
ヘイトスピーチ、リベンジ・ポルノ、パケットスニッフィング、忘れられる権利、児童ポルノ規制、グーグルブック・クラウドサービスと著作権侵害…。初版当時には予想もできなかった新しい法律問題が生じるなかで、ネット空間における「表現の自由」について、どのように考えたらよいのだろうか。好評を博した初版から12年、待望の新版。
目次
インターネットの発展
見直しを迫られる従来の憲法理論
インターネットに憲法をどう適用するか
インターネット上の表現の自由をどう考えるか
わいせつな表現・児童ポルノをどこまで規制できるか
有害情報から青少年をどう保護するか
名誉毀損・プライバシー侵害の責任をどこまで問えるか
ヘイトスピーチ及び差別的表現
インターネットと知的財産権
プロバイダーの法的責任をどう考えるか
インターネット上の個人情報保護をどうはかるか
国境を越えるインターネットにどう対応すべきか
電子民主主義の可能性
著者等紹介
松井茂記[マツイシゲノリ]
1955年生まれ。京都大学法学部卒業、大阪大学法学部教授を経て、ブリティッシュ・コロンビア大学法学部教授、大阪大学名誉教授。専攻は憲法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わたなべよしお
11
一番、好きな憲法学者、松井茂記さんの著作であり、またネット社会を考える手がかりになるはずと、手に取った。さすがの碩学、松井先生にしても「インターネットと法」の世界は広漠として、かつ、いまだに整理されていない部分が多いので、包括的に取り上げると、どうしても表面をなぞった感じになりがちだ。さらにはネットが社会、世界をどんな風に変えるのか、その形さえ明確でない中では手探りで進むしかない。とはいえ、とても意欲的で、ネットと法を考える入り口とするには最良の本ではないか。2016/04/14
Haruka Fukuhara
9
なかなか面白かった。分厚いけれど、憲法学の体系書とは違って結構具体的な話も多く、ざっと概観するにはさほど時間がかからなかった。インターネットは表現の自由の最先端であり、異端でありつつ主流になりつつある、というような印象。(主流が異端というのはやや逆説的だけど、意外とそういうものは少なくない気がする)2017/09/11