「慰安婦」問題を/から考える―軍事性暴力と日常世界

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  • サイズ B6判/ページ数 257p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000610056
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0021

内容説明

一九九一年の金学順さんのカミングアウトから二十余年、「慰安婦」の存在を否定し問題の矮小化をはかる動きが再び猖獗を極めている。強制性の有無をめぐる恣意的な議論に対し様々な角度から論駁するとともに、「慰安婦」制度が戦時下の極限状況ではなく、日本や植民地における日常世界の中でつくり出されたものであることを歴史的に検証する。

目次

第1編 軍事性暴力から日常世界へ/日常世界から軍事性暴力へ(軍事性暴力から日常世界へ;日常世界から軍事性暴力へ)
第2編 現代社会、歴史学、歴史教育―いまに続く植民地主義(「失われた二〇年」の「慰安婦」論争―終わらない植民地主義;一九九〇年代からの歴史教育論争―学校教育は「慰安婦」問題にいかに向き合ってきたか;沖縄で教える、考える「慰安婦」問題)
座談会 「慰安婦」問題が問いかけるもの

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

coolflat

12
慰安婦問題は、植民地責任、つまりは民族差別問題だと痛感する。本書では「日本人」慰安婦の証言が綴られているが、「日本人」慰安婦は一様に慰安婦時代は「楽しかった」と証言している。このことが日本政府や軍の責任を過小評価する方向に利用されている。確かに「日本人」慰安婦は待遇がよかった。というより、外国人慰安婦よりマシだった。「朝鮮人」「中国人」慰安婦といった、より下の差別構造があったからだ。日本人慰安婦にとって、戦前・戦後では日本人より下がなかったため、それに比べて、慰安婦時代は「楽しかった」と言えてしまうわけだ2015/02/21

tnk

2
横田冬彦「『遊客名簿』と統計ー大衆買春社会の成立」。1928年の京都市は20-40代の男性が15万人、遊郭の客数が186万人。最低7割は市民の利用とみられるので、単純計算すると1人平均で年8回。現代の倫理観からすると衝撃的ながら、買春の急速な日常化を突きつけられる。2022/11/29

えんさん(연싼)@読書メーター

1
慰安婦問題「を」再度見直し、慰安婦問題「から」植民地主義や歴史教育を考える論文集。日本人慰安婦たちが仮にお金目的で商売をしていたとしても、そこには借金などをして見を売らねばならなかった状況があった。このことは、現在風俗が女性たちのセーフティネットになっているのと変わらない。慰安婦問題は戦時下の極限で起きた過去の問題ではなく、現在とも繋がっているとも述べており、歴史教育においてどう生徒たちと慰安婦問題を見ていくのかきちんと考えたい。2015/07/27

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