出版社内容情報
ミクロ現象からマクロ現象を再構成する手法としてもっとも整備された物理学が統計物理学である。等重率の原理、カノニカル集合、相転移などの基礎を詳述するだけでなく、ブラウン運動や確率過程論を展開して非平衡系への橋渡しとなる緩和現象や線形応答の解析、また場の量子論的方法をも解説する。英語版をはじめ各国語に翻訳された。
内容説明
ミクロ現象からマクロ現象を再構成する手法としての物理学が統計物理学である。等重率の原理、カノニカル集合、相転移などの基礎を詳述するだけでなく、ブラウン運動や確率過程論を展開して、非平衡系への橋渡しとなる緩和現象や線形応答、場の量子論的方法を解説する。
目次
第1章 一般的な予備的考察
第2章 統計力学のアウトライン
第3章 具体的応用
第4章 相転移
第5章 Brown運動
第6章 確率過程としての物理的過程
第7章 緩和現象と共鳴吸収
第8章 線形応答の統計力学
第9章 統計力学における場の量子論の方法
第10章 エルゴードの問題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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1
後半の非平衡統計力学についての内容がはじめて学ぶのに適している(前半の平衡統計力学についての記述もよくまとまっている). 5 章・6 章で確率過程としての取り扱い, 7 章・8 章で線形応答理論が議論され, いずれも説明が丁寧で優れている.2016/01/22
水紗枝荒葉
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1972年初版の統計力学の古典。今回は後半の非平衡統計力学パートを読んだ。非平衡系と言えば、1990年代にゆらぎの定理が出てきて、さらに2010年代に情報熱力学が出てきて、様子が一転するわけだが、これらを学ぶ前(あるいは学んだ後)に本著を読むのも悪くないだろう。私は数学(確率解析)の応用として非平衡統計力学に興味を持ったので、物理の人は大胆なFourier変換(ウィーナー=ヒンチンの定理)で確立微分方程式を解いてるんだと感動した。歴史的には物理の方が先なのだが。2025/04/13