出版社内容情報
長い進化を共にしてきた細菌とそのウイルス(通称ファージ)は膨大に存在している。薬剤耐性菌による感染症の死者がガン死者を上回る将来予想が示される中、忘れられていたファージ療法が復活する。分子生物学を誕生させ、医薬品開発の基盤技術ともなっているファージの探究史を、その発見から今日までドラマチックに描きだす。
内容説明
細菌のウイルスであるバクテリオファージ(通称ファージ)は特定の細菌に感染して増殖し、その細菌を溶かす。この力を利用したファージ療法は1920年代から始まり世界的に用いられたが、ペニシリンなどの抗菌薬の時代が到来し、東欧諸国の一部を除いて忘れられていた。しかし、薬剤耐性菌による死者がガン死者を上回る将来予想が示されるなど、問題が深刻化する中で、ファージ療法に再び光が当たりつつある。ファージ探究の驚くべき歴史を、その発見から今日までドラマチックに描きだす。
目次
プロローグ―ファージ療法で奇跡的に回復したトム・パターソン
1 細菌の溶解現象―ハンキンとトゥオートの観察
2 独学の細菌学者フェリックス・デレーユ―成功までの道のり
3 スターリン政権のもとで進展したファージ療法
4 ファージ療法の衰退
5 ファージの研究から生まれた分子生物学
6 原始的な生命体としてのファージと細菌の共生
7 ファージ療法の復活
エピローグ
著者等紹介
山内一也[ヤマノウチカズヤ]
1931年、神奈川県生まれ。東京大学農学部獣医畜産学科卒業。農学博士。北里研究所所員、国立予防衛生研究所室長、東京大学医科学研究所教授、日本生物科学研究所主任研究員を経て、現在、東京大学名誉教授、日本ウイルス学会名誉会員、リエージュ大学(ベルギー)名誉博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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