出版社内容情報
はしかはかつてはありふれた病気で軽くみられがちだ.しかしエイズ同様,免疫力を低下させ,脳の難病を起こす恐ろしいウイルスなのだ.一方,はしかを利用した癌治療も注目されている.知られざるはしかの話題が満載.
内容説明
はしかはかつて多くの人が感染するウイルス病だったが、現在はほぼ根絶され、軽視されている病気でもある。しかし、このウイルスはエイズと同じく免疫力を低下させ、体内に10年も潜み脳の難病を引き起こす恐ろしいウイルスなのだ。一方、このウイルスを利用して癌を治療する試みも注目されている。知られざるはしかの話題が満載。
目次
1章 はしかはなぜ恐ろしいか
2章 体内に潜むウイルス
3章 庶民も貴族も苦しめた流行の歴史
4章 ワクチン誕生以前―観察から治療・予防へ
5章 人体実験、研究剽窃、そして根絶への道のり
6章 混合ワクチンが巻きおこした波紋
7章 癌の治療に麻疹ウイルスが効く!?
著者等紹介
山内一也[ヤマノウチカズヤ]
1931年生まれ。北里研究所、国立予防衛生研究所、東京大学医科学研究所教授、日本生物科学研究所主任研究員などを経て、東京大学名誉教授、日本ウイルス学会名誉会員、ベルギー・リエージュ大学名誉博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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帽子を編みます
46
確認したいことがあり再読しました。はしか(麻疹)の話題で満載、それが面白かった。はしかは地球上で最も感染力の強いウイルスです。19頁、英国における麻疹、ヘンリー八世が破門されたのをきっかけに英国国教会が成立し、死亡者数、死亡原因の記録が始まる。えっ、ここでもヘンリー八世…。天平九年(737)赤斑瘡(しゃくはんそう)という疫病の蔓延、藤原四兄弟の死。赤斑瘡は天然痘(裳瘡もがさ)と同じとする説、麻疹の単独感染とする説あり。新大陸の先住民への感染…。歴史が何しろ面白かったです。ワクチンの歴史も興味深いものです。2024/09/30
鯖
16
11世紀頃、牛疫からの変異でうまれたらしいはしか。フィジーではえげれすに領土割譲する際、王様、王子様が持って帰ってきて全島で2万人以上の免疫のない人々が亡くなったと聞いてビビった。また乳児期に掛かったはしかが完治しても、中学生くらいになってから発症する致死率が高い脳症(SSPE)にも触れており、更にビビる。はしかウィルスの強すぎる細胞破壊の能力を利用し癌治療に活かす研究にも触れられていて驚くばかり。ともかくワクチンは偉大だなあ…。2018/01/19
メイロング
4
3倍以上の厚さのハードカバーでもおかしくない内容。でも、むずかしくなりすぎないシリーズの特色からも外れてない。はしか、伝染病、ワクチンなどのテーマを調べるときの最初の一冊力はケタちがい。これから科学ライブラリーが続いても名作と数えられていくのでは。「はしかみたいなもん」なんて二度と口にできなくなる。 2017/10/25
海星梨
3
最近流行りの麻疹の話。流し読み。ワクチン反対派など世界は大変そう。2019/02/22
takao
2
はしかは最も感染力の高いウイルス2017/12/15