岩波科学ライブラリー<br> 数の発明

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岩波科学ライブラリー
数の発明

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  • サイズ B6判/ページ数 128p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000296199
  • NDC分類 410
  • Cコード C0341

内容説明

パスカルが「0から4を引けば0である」と述べた頃、インドでは負数と負数の積が正数になることは羊飼いでも知っていた。負数を数だと捉えるのは人間の脳の働きによるもので、数学もまた人間の発明以外の何ものでもない。真理は多様であり、数の定義にも様々なスタイルがある。数概念の発展を見ることで、数学とは何かという大きな問いへの答えに迫る。

目次

1 数概念の基源(基数;量 ほか)
2 現代における数体系(自然数の素朴な定義;公理・公準で規定する方法 ほか)
3 数学とは何か(「聖」と「俗」;純粋数学の成立 ほか)
付録 現代における数体系(補足)(実数体;連続性 ほか)

著者等紹介

足立恒雄[アダチノリオ]
1941年生まれ。早稲田大学理工学部数学科卒業、東京工業大学大学院理学研究科博士課程修了。早稲田大学理工学部教授、学部長、学術院長などを経て、早稲田大学名誉教授。理学博士。専門、代数的数論、数学思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

calaf

14
「数」は人間の発明品!数学の中の数学(?)である数学基礎論の立場から、数を見直した本...らしい...概要は理解できるのですが、ちょっと今の私にはレベルが高すぎます (^_^;;;2014/02/20

びすけっと

6
2013年12月刊。遠征先図書館で発見。自然数、整数、実数、有理数、複素数以前に数とは何か、どのような位置づけをして定義するのかをひもときます。ですから、自然数、整数・・・の概念を読み進めるよりももっと難しい。演算すら丁寧に定義し証明していくのですから。西洋で負数が認められなかった時代に、インドではすでに負数は人々の手中にあった。ますます学生時代に読んだ「零の発見」を再読したくなります。学生のときに頭がこんがらがったことを思い出す旅を続けている気がします。集合論もおもしろいですよ~2015/07/31

maqiso

3
古代ギリシャから近代ヨーロッパでは個数を数の本質だとしたため負数や虚数の定着が遅れたが、中国やインドでは方向や商取引から負数を自然なものと見ていた。現代数学では集合論などから自然数の全体を定義し、整数、有理数、実数と拡張し、複素数で終わる。数学史と定義や証明が両方あって面白いが難しい。2022/01/11

makio37

2
本書では「自然数とは何か」に多くの紙数を割いている。「0を含まない、1,2,3…」というこれまでの私の理解が如何に粗雑なものであったのかが分かった。「1={0}=0U{0}」と「デデキント無限」の2つが私にとって大きな発見だ。「発見」と書いたが本書の主題は、数体系とは森羅万象を貫く永遠不変の真理を人類が「発見」したものではなく、人類が人類の言語をもとに独自に「発明」した創造物だ、ということである。単純で自明なことばかりのように見えながら全く歯が立たない部分も多く、悔しい読書でもあった。2014/06/15

massn

1
こういうさらっと「気持ち」を書いてくれる本はもっとあっていいな。2023/02/07

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