内容説明
健康長寿のための東大高齢者転倒予防講座が本になった。転倒を防ぐには、筋力や柔軟性に加えてバランス能力も大事。バランスに重要な脳と運動・感覚機能の連携を重視し、運動学理論に基づいた独自のトレーニングを、わかりやすいイラストでレクチャー。人の体の仕組みを知って、効果的にトレーニングしよう。
目次
1 東京大学・高齢者転倒予防講座
2 高齢者のバランス能力
3 バランス維持に必要な要素―転倒を防ぐバランス能力
4 転倒を防止するための筋力と関節のトレーニング
5 感覚機能を高める
6 たいせつな脳
7 スマートフォンを用いてトレーニング
著者等紹介
田中敏明[タナカトシアキ]
1958年北海道生まれ。北海道大学医療技術短期大学部理学療法学科卒業、ニューヨーク大学大学院理学療法学科修士課程修了(修士号M.A.)。マサチューセッツ工科大学客員研究員、札幌市立大学デザイン学部教授などを経て、東京大学先端科学技術研究センター特任教授。博士(工学)、理学療法士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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アキ
95
高齢者の転倒は、要介護となる原因の1割を占める。年齢を重ねる程バランス能力の低下が見られるのは、単に筋力の低下だけでなく、視覚、前庭感覚、体性感覚の低下や、脳の注意機能の低下が関係している。特に足の指や足裏の感覚の衰えが直接の要因でもある。後半で理学療法士の著者による転倒防止のトレーニングの実際を示しているが、体幹と下肢の筋力アップだけでなく、足指・足裏の感覚トレーニングや脳を活動させるトレーニングもある。様々な職種を交えた総合的なバランスケアは、転倒者の減少だけでなく、認知症の改善にも役に立つとのこと。2022/04/05
calaf
14
高齢者もそうなのですが、最近では子供の転倒事故が増えているという話も聞きました。赤ん坊の頃にハイハイをする量が減っているのが原因らしい...それも含め、人間は鍛えなければ能力は向上しないし衰えるばかりというのは間違いないようです。2013/11/21
okatake
1
特に目新しい物はありませんでしたが、今はスマホのアプリでバランス能力を判定するような物も開発されているようですね。この本で紹介された物はiphoneではありませんでしたが違うアプリがありました。 専門家がとてもわかりやすく著述しています。岩波科学ライブラリーということでなかなか手に取られにくいとは思いますが、高齢者の方にはとても参考になると思います。簡単におこなえるトレーニングも紹介されています。2016/02/14