出版社内容情報
世界で頻発する、イスラームを標榜するテロや暴力。アルカイダやイスラーム国の思想的な拠り所の成り立ちと変遷を明らかにする。
内容説明
今も世界を席巻しつづける「ジハード」の名のもとに行われるテロや暴力。彼らは何を考えてテロを起こすのか?世界中の若者たちが過激組織に惹きつけられるのはなぜか?なぜカリフ制樹立を主張したのか?残忍非道な殺害方法や奴隷制の復活など、現代社会と相容れない行動をとるのはなぜか?「ジハード主義」の基本的な考え方をわかりやすく解き明かし、そのイデオロギーのもとになった思想の誕生から現在までの歴史的な変質の過程をたどり、現代社会の抱える病巣を探る。
目次
序章 九・一一事件の衝撃
第1章 ジハード主義の誕生
第2章 隠された義務
第3章 アルカイダの登場
第4章 イラク戦争とジハード主義
第5章 イスラーム国の誕生とカリフ国家の「復活」
第6章 世界に拡散するテロ―ホームグローンとローンウルフ
終章 日本とジハード主義
著者等紹介
保坂修司[ホサカシュウジ]
慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了(東洋史専攻)。現在、日本エネルギー経済研究所中東研究センター研究理事兼早稲田大学客員教授。在クウェート日本大使館・在サウジアラビア日本大使館専門調査員、財団法人中東調査会研究員、日本学術振興会カイロ研究連絡センター長、近畿大学国際人文科学研究所教授などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カイロス時間
7
時節からかけ離れたテーマだが、それもやむ無しの精神で本書を。イスラーム・テロ組織の思想的背景たるジハード主義について丁寧に解説している。印象的だったのは「死の文化」という仮説。著者によると、アラブ世界では殉教こそ英雄的である。教義のために積極的に己の命を賭す者が称賛される。そうした死を忌避しない文化がテロ組織の行動にも影響しているというわけだ。それは実際的には、武力と勇敢さを尊ぶ男らしさの文化として現れる。テロ行為の現実的な思惑は様々あれ、背景にはマッチョな精神があるという説明には個人的にうなずける。2019/12/30
スプリント
3
イスラムのテロリストが大義名分としているジハードとは何か。神の名のもとに人を殺め、自己犠牲を強いるその概念について詳しく説明されています。2017/10/28