出版社内容情報
わたしたちの日常を支えるもっとも基礎的な概念「正しい」を、理屈にこだわり丁寧に分析する哲学入門。
内容説明
わたしたちの日常を支えるもっとも基礎的な概念「正しい」を、理屈にこだわって丁寧に分析してみたらどうなるか。「考える」こと以外には予備知識はまったく不要(多少の忍耐力は必要)。カリフォルニアの分析哲学者ヤギサワ先生が誰にでもわかるようにかみ砕いて考える。クリアな思考を求めるすべての人びとのための哲学入門。
目次
第1章 テストの答えの正しさ(一致;同一性 ほか)
第2章 事実の存在(ナイーヴ・リアリズム;正しさの確証 ほか)
第3章 アンパイアの正しさ(規範的正しさ;アンパイアの必要性 ほか)
第4章 行為の正しさ(法律と行為規範;目的と行為規範 ほか)
第5章 意味の正しさ(意味規範;意味規範の任意性 ほか)
第6章 量計測に関する正しさ(キログラム原器;正確な質量 ほか)
著者等紹介
八木沢敬[ヤギサワタカシ]
1953年生。プリンストン大学大学院修了(Ph.D.1981)。現在、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校哲学科教授。専攻は形而上学、言語哲学、心の哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しらい
2
うーん。「正しい」を分析した本。そのまんまだと思った。が、今の自分には必要なかったように感じる。または自分の手に余るものだったのかも。なにが「正しい」を規定するのか、突き詰めている。ぼくは、すべては文脈に依存すると思う。2016/12/28
Go Extreme
1
日常から科学倫理言語に至る根源的概念正しいの多角的分析 正しいの多義性:文 行為 事実 推論で異なる意味 文の正しさ:事実との同型理論とその限界 否定文 普遍文 知識の成立条件:信念との区別 正当化 知覚経験 推論 行為の正しさ:功利主義結果 義務論動機規則 倫理的リアリズム 言語の正しさ:統語論文法 意味論意味 語用論文脈意図 計測の正しさ:標準キログラム原器依存 規約性 批判的クリアな思考力養成:平易な解説で哲学入門へ 思考行為の基盤としての正しい概念の重要性2025/04/17
MrO
0
分析するシリーズの最初。「正しい」を相対化する試み。でも、日本人はこの相対化が大好きなので、易きに流れてしまう危険性も感じる。2018/03/22