出版社内容情報
民主的な議会をつくるにはどうすればいいのか。選挙と議会のあり方を世界共通の基準から考察する。
内容説明
日本の選挙制度は有権者の選択肢を大幅に制限している。一票の較差も根本的に解決されず、こうした選挙制度を通じて選ばれた議員が構成する国会に、はたして民主的正統性はあるのだろうか。比較政治学の第一人者が、日本と各国の選挙制度を世界共通の基準で分析し、民主的な議会、民主的な政権のあり方を考察する。
目次
1 選挙(選挙制度;有権者から見た選挙)
2 議会(イングランド;フランス;アメリカ;革命と議会―英米仏の比較;日本)
選挙と政権
著者等紹介
岩崎美紀子[イワサキミキコ]
津田塾大学国際関係学科卒業後、ボルドー大学で修士号、モントリオール大学で博士号取得。現在、筑波大学大学院人文社会科学研究科教授。2014~16年衆議院選挙制度に関する調査会委員。専攻は比較政治学、カナダ政治。著書に、『カナダ現代政治』(東京大学出版会.カナダ首相出版賞受賞)、『行政改革と財政再建―カナダはなぜ改革に成功したのか』(御茶の水書房.カナダ首相出版賞審査員特別賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Haruka Fukuhara
12
いい本。落ち着いて読みたいけど仕事関連のものなので情報をスキャンするだけになってしまっているのは残念。いずれまた読みたい。2017/08/30
シノウ
5
日本の選挙制度は極めて得意であることがわかる。 中盤では、英、仏、米における民主主義政府の設立を掘り下げており、議会の制度は政治の成り立ちに深く関わっている。ことがよくわかる本。 一方日本は、明治以降の維新により上からなされた政治改革であり、戦前までは元老がおり藩閥で動く寡頭的な体制であった。 戦後の民主制にしろ、議会や統治機構がしっかりと議論された上で作られたものとは思えない。 といったもののの、現行の制度であっても政党や有権者の意識次第ではそれなりに機能するとは思う。2020/10/20
Moloko
4
英国、フランス、アメリカの革命期における議会の成立や権力基盤、及びに国王・議会の対抗関係が詳しく、かつ様々な選挙制度の特徴について理論的に纏めていて、日本の選挙制度の特色や問題を考えるのに丁度良かった2018/06/29
take
0
前半では,多数代表/少数代表,移譲の有無,など各国の選挙制度を相対化する比較軸を提示する.後半では,前半の選挙制度分類を踏まえて主要国の議会制度について論じる. 細かな違いを上げればキリがない選挙制度を,整理するための視点を提供してくれる.が,選挙について知ってみたい,というような初学者には,抽象的な話も多く面食らうかもしれない.ある程度選挙について知識を得た後に読むと,非常に有益な本と思う.2017/10/15